日本郵政「すっぴん動画炎上」即削除が妥当なワケ 「見られる広告」と「不適切な広告」は何が違う?
これに対して、「女性をバカにしている」「防犯上、仕方ないのに」「何でこんな動画作ったのかわからない」といった批判が巻き起こり、早々の取り下げとなってしまった。
本動画は広義の「ジェンダー表現」が問題になった事案だといえるだろう。昨今の広告の炎上は、ジェンダー表現に関するものが最も多く、非常に“可燃性”が高い領域となっている。
1カ月ほど前には、東洋水産のカップ麺「赤いきつね」のアニメ動画が“性的だ”と物議をかもし、不適切か否かで議論が巻き起こっている。
昨今のトレンドを踏まえれば、日本郵政の動画は「配慮が足りなかった」といわざるをえないだろう。


“すっぴん動画”の何が悪かった?
「すっぴんを見られたくない」というのは、「あるある」なシチュエーションでもあり、共感を呼びやすいだろう。また、それを多少コミカルに描いたところで、炎上するとは限らない。
ただ、本動画に関しては、女性が“すっぴん”を連呼したり、ロボットアームを使って受け取ろうとしたりと、少し過剰な表現が目立ったように思える。動画の尺(再生時間)がやや長く、“くどい”と思う視聴者もいたようだし、肝心のサービス内容が伝わりづらかったというのもありそうだ。
2023年に痴漢冤罪を題材にした動画を投稿して物議をかもしていた「こねこフィルム」が動画制作を行っていたことも、火に油を注ぐ結果となっている。
このことによって、「すっぴんを見られたくない」というシチュエーションと、「知らない男性を自宅に入れたくない」という防犯意識とが、一部の視聴者の頭の中で結びつき、不謹慎に感じる結果となったのだろう。
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