米国文学研究者が「自己啓発本」にのめり込んだ訳 系統立てて読むことで真意がわかるようになる

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だが私がこの60冊分のリストを作るに当たって最も心を砕いたのは、何と言っても最初と最後、すなわち「最初に何を挙げ、最後に何を挙げるか」という点である。

ある意味、この2冊を選び出すことにこの本全体の成否がかかってくると言ってもいいのであって、非常に難しい選択を迫られた――のではあるが、実はこの2冊だけは最初から決めていた。

「この本とこの本でいこう」というのは、そもそもの最初から私の腹づもりとしてあったのである。なぜなら、この「最初の本」こそ、私がこの世のすべての自己啓発本の中で最高峰に位置づけている本であり、「最後の本」は、私にとって非常に思い入れのある本であるからだ。

名著を知ることで得る学び

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ではその2冊とは何か。それはここでは言わない。実際にこの本を手に取って確かめていただきたい。何しろこの2冊こそ、自己啓発本という名の宙に輝くあまたの綺羅星の中で、私の目から見て最も明るく輝く巨星なのだから。

そしてこの2冊と、2冊の間に挟まれた58冊の名著を知ることで、自己啓発本という名の豪華絢爛な一つの体系が、読者の皆様の眼前にうっすらとでも姿を現すとすれば、ここ10年の私の努力も決して無駄ではなかったということになるだろう。

尾崎 俊介 愛知教育大学教授

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おざき しゅんすけ / Shunsuke Ozaki

1963年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科英米文学専攻後期博士課程単位取得。愛知教育大学教授。専門はアメリカ文学。アメリカン・ペーパーバック出版史を論じた『紙表紙の誘惑』(研究社、2002年)でデビューして以来、一貫してアメリカ大衆文学研究をライフワークとしている。「女性向けロマンス小説」の文学的価値を再評価した『ホールデンの肖像』(新宿書房、2014年)、『ハーレクイン・ロマンス』(平凡社新書、2019年)の二書を著した後、現在はアメリカ発祥の文学ジャンルである「自己啓発本」の研究に鋭意取り組んでいる。

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