党内騒然!自民党大会に現れた「問題人物」の正体 「保守中道層の離反を招きかねない」との声も

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このほか、石破首相の約25分間の演説の中で、①全労働者の流した汗が報われるような日本を目指し、物価上昇を上回る賃金上昇を実現する、②核兵器保有国に囲まれているわが国の安全保障環境はかつてなく厳しい。アメリカとの同盟関係をさらに強化することは当然だ、③日本にはポテンシャルが多く残されおり、農業、漁業、林業、サービス業、中小企業の持てる力を最大限に引き出し、日本をもう一度すばらしい国として生まれ変わらせる、などと訴えた。

(写真:ブルームバーグ)

石破首相の演説について、政権を支える森山裕幹事長は「石破内閣が目指す方向について話したことはよかった。心を一つにして、参院選を頑張っていこうという気持ちになれたのではないか」と評価。昨年9月の総裁選に出馬した小泉進次郎元環境相も「すばらしいスピーチだった」と称賛した。

その一方で、小泉氏と同じく総裁選に出馬した小林鷹之・元経済安全保障担当相は「首相は『楽しい日本』というが、楽しい日本をつくるための具体的な道筋が、きょうはあまり感じられなかった」と不満を示した。

そのうえで「自民としてどういう国づくりを目指すのか、どういう骨太の政策を打ち出すのかといったメッセージを発信することが重要だ」と指摘。若手議員の間にも「参院選で何を訴えたらいいのかわからない」との困惑が広がった。

波紋を広げる「問題人物」の公認

大会では、次期参院選での各選挙区と比例代表の公認候補について、調整中の数人を除いて発表。ほぼ全員を壇上に上げ、拍手で激励した。その中に比例代表の新人として元衆議院議員の杉田水脈氏が含まれていたことが、党内外に波紋を広げた。

同氏は、2012年に日本維新の会から衆院選に出馬し、初当選。2017年と2021年は自民党の公認候補として衆院比例中国ブロックで当選した。そして、昨年の衆院選では、旧安倍派の裏金事件をめぐり政治資金収支報告書に不記載があったことから、党の公認を辞退して出馬を見送った。

杉田氏は2016年に国連の会議に参加した際、「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場」などと自身のブログに投稿。その後撤回したものの、2023年に札幌法務局と法務省がそれぞれ人権侵犯だと認定した。

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