「優しく話しやすい親」になれなくても問題ない 親が不安だと、子どもも自信を持てなくなる

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もちろん、すぐに意識を切り替えるのは難しいかもしれません。でも、「自分の心を楽しませること」を習慣にすれば、少しずつ気持ちが楽になっていくはずです。人間の脳は単純で、楽しいことに集中すると、それだけでポジティブになり、見える世界が変わります。だからこそ、「どうすれば良い親になれるか?」と悩むよりも、「どうすれば自分が楽しくいられるか?」を考えることが大切なのです。

関わりをおろそかにするための言い訳ではない

しかし、ここで大切なのは、「親自身が楽しむことを重視する」という考え方は、あくまで山田さんのように、子どものために頑張りすぎて疲れてしまっている親への提案であるということです。もし、「子どもに無関心で、子どもをほったらかしにして、自分だけ勝手に楽しんでいる」ような場合は、むしろ親自身がもっと子どもに寄り添う必要があります。その場合は、「子どもと一緒に楽しむこと」「子どもと過ごす時間の質を高めること」が大切です。

つまり、「親が楽しむ」ことは、親が子どもとの関わりをおろそかにするための言い訳ではなく、親自身の負担を減らし、子どもとより良い関係を築くための方法なのです。

今、子育てに悩んでいる人も、5年後、10年後を想像してみてください。今よりもずっと成長した子どもたちと、どんな関係を築いているでしょうか? きっと、それぞれが個性を伸ばしながら、お互いに学び合い、支え合う関係になっているはずです。そして、親である自分自身もまた、子どもとともに成長し、変化していると思います。子育ては、親が何かを「してあげる」ものではなく、親も子どもも、それぞれのペースで成長していくものです。だからこそ、「どうすれば良い親になれるか?」と悩むよりも、「どうすれば自分が楽しくいられるか?」を優先して考えてみてください。

「良い親」になろうとしなくても、子どもはちゃんと育ちます。だから、もっと肩の力を抜いて、気楽に、楽しみながら子育てをすることをお勧めします。親の笑顔が、子どもにとって最も安心でき、成長できる環境なのです。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育専門家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4500人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、カフェスタイル勉強会Mama Cafe(累計1万3千人のママさん参加)、執筆、講演を精力的に行う。教育学修士(東京大学)。著書に『子ども手帳』『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』『子どもを育てる7つの原則』など国内30冊、海外13冊。音声配信Voicyでは「子育てランキング1位」の人気パーソナリティを務めている。

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