1993年から2023年にかけての30年間の女性15~49歳までの各歳別出生率の推移を比較したものが以下のグラフです。

一目瞭然ですが、4カ国とも大きく出生率を落としているのは20代です。むしろ30代以降は4カ国ともあまり低下しているわけではありません。
特に深刻なのが韓国で、20代全体の急降下はすさまじく、直近の10年間で、20代で出産する女性がほぼいなくなってしまった。日本も20代は減っていますが韓国ほどの減少ではない分、全体の出生率を保っていると言えます。あわせて日本とフランスの出生率の差もほぼ20代の出生率の差でしかなく、要するに出生率が低下しているのは20代の出生率の低下に尽きると言えるわけです。
言い換えれば、30年間変化のない30代以上の出生率をあげようとしてもこれ以上あがる見込みは薄く、出生率を改善するのであればこの減少著しい20代出生率をあげるしかないということです。
日本の出生率を押し下げた要因
さらに、出生順位別の統計からも日本の出生減要因を探ります。人口動態調査から、2000年を起点として、2023年までに出生順位別の増減を示したのが以下です。

ここで明らかになるのは、減少要因として最大なのは、第1子の出生率の低下であることです。全体の出生率を押し下げているのは常に第1子出生率で、反対に押し上げた場合も第1子出生率がそれほど減少していないか増加している場合に限ります。近年全体が低下したのも、第1子出生率が大幅に減少したことによります。
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