「スマートロック」で困らないために覚えておく事 日本の普及率1.2%、メリットやデメリットは?

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ちなみに、従来の錠前をスマートロックに変える方法にはいくつかありますが、一番手っ取り早いのがドアに「両面テープで貼り付ける」という方法です。実際、初めてスマートロックを買った人が驚くのは、このことのようです。

後述しますが、日本の鍵は特殊で、とても多くの種類のドアと鍵のサムターンがあります。そのため、どんなドアにでも設置できるよう、ネジなどを使わず汎用的な両面テープでくっつけるのです。

SWITCHBOT社のスマートロックは、サムターンをつかむようにして、本体を粘着テープでドアに固定する(写真:SWITCHBOT提供)

ところで、アメリカと日本の普及に10倍以上の差があるのは、ドアの所有権の問題だけなのでしょうか。夏氏はこのように答えます。

「設定の難しさが普及の弊害になっているかもしれませんね。スマートロックは買って取り付けたらすぐ使える家電とは少し違います。何社かの製品を組み合わせて使うので、ちょっとややこしい面があるのです」

その組み合わせというのは、スマートロックのWi‐Fiへの接続にはじまり、スマートフォンとの連携の設定、そしてGoogle Homeのような音声で機器を操作するスマートスピーカーなど、さまざまです。

急増する賃貸でのスマートロック

そんなスマートロック途上国の日本ですが、ここ1~2年で事情が変わってきました。

スマートロックの普及が進まない日本で唯一、普及が加速しているのが、賃貸住宅です。先の話と食い違うように思えますが、「借り主が設置する」のではなく、「大家が設置してから貸す」という賃貸が増えているのです。

これについて、賃貸物件でのスマートロック国内1位、30万台超が採用されている大崎電気工業株式会社のスマートロック最高責任者、小野信之氏はこう話します。

「賃貸にはスマートロックが最適です。まず借り主が代わっても鍵を取り換える必要がないので、大家にとっては費用の負担軽減になります。またワンタイムパスワードを発行すれば、不動産屋が同行しなくても内見できます。大幅に業務改善できるのです」

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