「いずれトランプは飽きられる」出口治明氏が警鐘 フジ日枝氏の40年支配で見えた「日本の特殊性」

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立命館アジア太平洋大学(APU)の出口治明学長特命補佐。インタビューはAPU東京キャンパスで筆談を交えながら行われた(撮影:尾形文繁)

「先人に学べ、そして歴史を自分の武器とせよ」

古代ギリシャの歴史家ヘロドトスが著書『歴史』に込めた思いをこう言語化したのは、5000冊以上の歴史書を読んできた“知の巨人”出口治明氏だ。いま起きていることを考えるとき出口氏は、「昔はどうだったか」という縦(時間)軸と「世界はどう考えているのか」という横(空間)軸で読み解く。

出口氏は、世界を揺るがしているアメリカのトランプ政権、そして収束が見えてこないフジテレビの経営問題をどうとらえているのか。

出口氏は2018年に立命館アジア太平洋大学(APU)の学長となり、2023年12月に勇退後は学長特命補佐としてAPUに残る。学長時代の2021年1月に脳卒中で倒れて右半身のまひと失語症が残ったが、その後リハビリを続けながら、週3日は電動車いすを使って東京キャンパスに出勤している。

筆者が出口氏とお会いしたのはほぼ2年ぶり。その間、日本も世界も様々なことが起こったが、まずは気になるトランプ政権について出口氏はどう見ているのか聞いてみた。

世界経済には90%後ろ向き

「世界は成長を続けるが、アメリカは今後足踏みになるかもしれません」

出口氏は左手に持ったマジックペンで(出口氏は本来右利き)、携帯用ホワイトボードに「世界」と書いた右肩上がりの矢印と「アメリカ」と書いた途中でポキッと折れる矢印を示した。

世界経済は右肩上がりの矢印を描いた一方で、アメリカの矢印は途中でポキリと折れている(撮影:尾形文繁)
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