「いずれトランプは飽きられる」出口治明氏が警鐘 フジ日枝氏の40年支配で見えた「日本の特殊性」
出口氏は「トランプがやろうとしていることは世界経済にとって90%後ろ向き。例えば自動車の高率関税は世界経済にとって後ろ向きになるでしょう」と語り、筆者が京都議定書からの離脱やWHO(世界保健機関)からの脱退について聞くと「大きく言ってマイナスになる」と断じた。
そしてトランプ政権が多様性政策の撤廃に向けて舵を切り、アメリカの分断が一層深まるとの懸念について出口氏はこう続けた。
「アメリカはトランプ党とそれ以外にくっきり二等分されました。でもトランプ党は長くて4年。アメリカはちゃんと元に戻ると僕は考えています。なぜならトランプ党は一切合切、民主党政権の逆をいっているだけで、一部大衆はいま大喜びでも長くもつはずはありません。いずれ大衆は飽きるでしょう」

“トランプ劇場”は外交の場でも続いている。ロシアがウクライナに軍事侵攻してから3年、トランプ大統領は早期終結を目指してウクライナを飛び越えロシアと直接交渉に乗り出している。
出口氏は「トランプは極端に言えば4年だけ戦火が止んでくれたら良いと思っている」という。
「戦争が早く終結したとしても、分割されたウクライナの国境が安定するのには多くの時間がかかります。紀元前300年代、アレキサンダー大王が亡くなってから領土は分割され、最終的にエジプト、マケドニア、セレウコスの3つの国に落ち着くのに40年かかりましたね」
トランプの”ガザ構想”は厳しい
そして2023年にイスラエルがガザ地区に大規模な攻撃を始めてから、少なくとも死者は4万6000人を超えている。トランプ大統領はガザ地区からパレスチナ住民を移住させ、アメリカがガザ地区を再建するという“ガザ構想”を打ち出してアラブ諸国から反発を受けている。
出口氏はこの構想は現実的に難しいとみている。「ガザ地区は200万人以上の住民がいる。この住民はどこへ移住するのでしょう? 行くところはありませんね。ガザ地区は元の姿に戻るのに10年はかかるでしょうが、イスラエルとパレスチナの戦争は2カ国が平和共存するまで終わることはないでしょう」
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