ホテル高騰の救世主?「寝台夜行バス」進化の実態 これまで寝台バスが日本で普及しなかったワケ

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梅原社長も「『ソメイユ・プロフォン』はまだ改善の途上にある。ぜひ乗車して意見をいただき、利用される方の声で育ててほしい」と語っていた。その言葉通り、利用者の声で寝台バス、「ソメイユ・プロフォン」がブラッシュアップされることを願いたい。

夜行バス業界も興味津々?「寝台バスは定着するのか」

「日本初の寝台バス」は、各地で思わぬ反響を呼んでいる。今後、全国のバス会社は追随し、寝台バスは「夜行バスの新しい選択肢」として定着するのだろうか?

夜行バスの需要
夜行バスの需要は、都内ホテル代の高騰によって勢いを取り戻している。(大手バス会社「WILLER」資料より)

実はいま、首都圏に向かう路線を中心に、夜行バスがコロナ禍前の勢いを取り戻している。インバウンド観光客(訪日客)の急増で都内ホテルの客室単価が「2022年:8710円→2023年:1万6556円」(「東京ホテル会」調べ)と急騰しており、夜行バスは「宿泊と移動を兼ねたコスパ・タイパの良い交通手段」として利用されているのだ。

こういった夜行バスの需要増に対して、業界大手の「WILLER」は「リボーン」「ドーム」など7種類、「VIPライナー」だと「電動バックシェルシート」「楽のびシート」など各種座席を準備するなど、少しでも眠れる環境づくりに余念がない。

ただ、いくらリクライニング座席が120~140度倒れるといっても、「座る」姿勢であり、「ヨコになって熟睡」には及ばないだろう。その点、「夜行バスに乗る」と、「泊まる」のちょうど中間の選択肢として、寝台バス「ソメイユ・プロフォン」のような座席は、選択肢のひとつとしてあってもいいだろう。

「ソメイユ・プロフォン」はこういった「ちょっといい座席」ニーズに対応するため、「通常料金+数千円程度」という料金を想定しているという。都内のホテル代が2万円に達しかねない今、東京~高知間のような「800km・10時間以上」の夜行バス路線であれば、寝台バスは「夜行バス座席とホテルの中間」需要をうまく取り込めるかもしれない。

ソメイユ・プロフォン
寝台バス座席「ソメイユ・プロフォン」座席ユニットの概要(高知駅前観光ホームページより)
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