ホテル高騰の救世主?「寝台夜行バス」進化の実態 これまで寝台バスが日本で普及しなかったワケ
1950(昭和25)年にタクシー・観光バスの会社として創業した同社は、2001年に高知空港への連絡バスで路線バス事業に参入。2009年には系列会社を通じて、高知~東京間・839.1km、約13時間という長距離ツアーバス「スマイルライナー」運行を開始した。
その後、ツアーバス規制と「新高速乗合バス制度」施行で通常の高速バス路線に移行、現在も高知~東京・東京ディズニーリゾート間の夜行バスを運行している。

高知駅前観光・梅原章利社長によると、この「スマイルライナー」の座席を改造して深く倒せるようにするなど、先代の梅原國利社長(現社長のお父様)の代から試行錯誤を重ね、夜行バスとしての乗り心地・寝心地の改善に試行錯誤を重ねてきたという。
ただ、座席をナナメに倒しても熟睡できるわけではなく、朝方には疲れが残る。梅原社長は、海外の寝台バスへの乗車経験を通じて「寝台バスがあれば、利用者はもっと快適にひと晩を過ごせるはず」と確信した。
しかし、夜行バス・高速バス業界では「高速バスはあくまでも座席に着席」が常識。梅原社長いわく、「寝台バスは法的に認可が下りない」という暗黙の了解、むしろ”都市伝説”のような類いのものがあったのではないか?」と語っている。
では、本当に「寝台バスは国の認可が下りないのか?」……高知駅前観光は、2018年に「フルフラット(180度水平な状態にできる)座席」の開発・製造が可能か、実際に国土交通省に直接確認。回答は「(寝台バスに関する)取り決めやガイドラインは存在しない」という回答だったという。つまり、寝台バスに関しては「不可能」「禁止」ではなく「誰も実際に確認していなかった」のだ。
いざ、寝台バス開発!難航した「協力者探し」

高知駅前観光は、さっそく寝台バスの開発に取り掛かった……ものの、主要なメーカーからは、ことごとく協力・協業を断られたという。
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