外国人が「スーパーの弁当売り場」に殺到のなぜ? YOUは何しに弁当売り場にきたか聞いてみた

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ほかに「亀戸升本」や「人形町今半」、「とんかつまい泉」など、名店弁当シリーズもあり、こちらは会食需要が多く、ランチミーティング用などの予約が入ることもあるそうだ。名店弁当の扱いは東急の「より高品質な商品・サービス」を売りにした「プレッセ」4店が中心で、東急ストアではめずらしい。

(撮影:佐々木仁)

弁当について同店で大切にしているのは、「例えばランチ需要では、お客様のご来店に合わせて12時頃には店内製造の弁当をできたての状態で出すように意識しています。まだ温かいと、品出しする最中から飛ぶように売れるんです」(野本店長)。実際、12時台には次々と弁当が補充され、そのペースが一般的なスーパーと比べても、とても迅速な印象を受けた。

東急ストアの弁当・総菜の商品開発は、商品部全体で定期的にミーティングを行う、共通の原料はカテゴリーを横断して使用しコストの無駄を省くなど、「鮮度・品質・健康価値」というテーマに沿った開発を目指している。

「BENTO」として世界に知られるように

日本の弁当文化は漫画やアニメなどを通じて世界中に知られ、京都にフランス人が開く弁当箱専門店まででき世界中から注文を受ける人気ぶりだ。英語なら「Lunch Box」という弁当を指す言葉があるにもかかわらず、今では「BENTO」が世界に通用するほどになった。長持ちするように工夫して調理された多彩な料理を、美しく詰め合わせる独自の弁当文化が、高く評価されているのだ。

また、長期滞在者や在住者にとっては、いくら日本の外食が他国より割安とは言っても食費は財布を圧迫する。その点、スーパーの総菜コーナーの弁当はコストパフォーマンスがよい傾向がある。安くて栄養のバランスが整っていて、できてからの時間が短い、種類も豊富でおいしいとなれば、使いたい人が口コミで増えるのも当然だ。

近年、いわゆる観光地でない場所で、日常生活を体験したい旅行客が世界的に増えている。そんな流れもあって、便利な都心のスーパーは、日本の日常使いの食事を知る意味でも、外国人にとって狙い目のようだ。スーパーの弁当を楽しむことで、YOUたちが弁当で日本での暮らしや旅を、さらに満足度高く過ごしてくれればうれしい。

阿古 真理 作家・生活史研究家

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あこ まり / Mari Aco

1968年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部卒業。女性の生き方や家族、食、暮らしをテーマに、ルポを執筆。著書に『『平成・令和 食ブーム総ざらい』(集英社インターナショナル)』『日本外食全史』(亜紀書房)『料理に対する「ねばならない」を捨てたら、うつの自分を受け入れられた』(幻冬舎)など。

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