フィリピンに渡った「丸ノ内線車両」の意外な役目 現役当時そのまま、2両の「02系」今どこにある?
まず2021年6月に、東京メトロのオペレーションやメンテナンス、またエキナカなど駅商業ビジネスを紹介する2時間の無料オンライン講座を開催した。最初はどんな内容にニーズがあるかもわからず、コロナ禍の最中だったことからこのような形式となったという。
手探りで始めた無料講座だったが、ふたを開けてみれば世界から約600人が参加。そのアンケート結果をもとにして、それ以降のTMAの内容や方針が決められた。2022年3月には「運転ダイヤの定時性改善」という有料オンライン講座を立ち上げた。
この講座は、かつて東西線のダイヤを改善した同社国際ビジネス部課長(海外プロジェクト担当)の牛田貢平氏が担当した。NHK番組に取り上げられたこともあるのでご存じの方もいるだろう。同氏は2013年以降、ベトナム、インドネシア、フィリピンの海外都市鉄道プロジェクトに関わり、列車ダイヤ作成や運行管理ノウハウを世界に伝えている。オンライン講座の中でも一番受講者数が多い人気講座という。
オンラインだけでなく訪日研修も
講座数は拡大を続けており、2022年度は8講座、2023年度は14講座、さらに2024年度は18講座まで増えた。国際ビジネス部の各担当者が英語で直接実施している。2023年には国土交通省主催の第22回「日本鉄道賞」特別賞を受賞。有料講座はこれまでに22カ国から約400人が参加しており、収益事業として成立しているという。
鉄道会社の海外事業というと、どうしても国際貢献的な部分が語られがちだが、事業の継続性などを考えると収益化は重要だ。「弊社の100年の経験とノウハウを世界に共有して活用していただきたいというのが一つ目だが、貢献とビジネス両方の視点でやらせていただいている」と清水氏はいう。
オンライン講座を拡充する一方、2023年度には「トレーニングイン東京」と称した訪日研修もスタートした。日本に来て実際に東京メトロの施設を見てみたい、働いている人と直接話したいというリクエストが強かったという。

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