また、糸数町長はそもそも朝貢貿易で中国と歴史的に交流のあった沖縄本島の琉球王国と、先島諸島の間では中国への温度差があると述べた。

糸数町長は「沖縄本島は中国のほうにシンパシーを感じる。われわれからすると、琉球王国もこの与那国にとっては侵略者だ。もともとここは小さな平和な島だった。米の生産ができるようになり、支配下に置きたいものだから、先島の豪族に命じて与那国に攻めさせた」と指摘する。
「われわれからすると、琉球は薩摩にいじめられたと言うのだけども、琉球もまた支配者。弱い者がまた弱い者をいじめるようなもの。動物の世界と何ら変わりない」と述べた。
糸数町長はまた、台湾有事で町民を島外に退避させ、ほとぼりが冷めた後に、いかにして島に帰還してもらうかで苦悩していた。
有事が起きれば「町の人口が半分以下に」
「下手をすれば人口が半分、あるいはそれ以下になる。非常に困っている」
糸数町長の言葉の節々に危機感や緊迫感がピリピリと感じられた。
さらに「台湾海峡問題は全力を挙げて抑止する方向に持っていかないと、厳しい」「この島は絶対戦場にしてはいけない」と言う。
その地理的位置から、いや応なく国防の最前線になっている与那国。その重い現実を私たちも、切実かつ重大な自分事として受け止め、考えていかないといけないだろう。
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