「パワハラが生まれやすい職場」に顕著な傾向3つ 「個人の問題」とだけ捉えていては解決できない

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

──1つ目の要素に含まれる「優越的な関係」とは、具体的にどのような関係を指すのでしょうか。

「部下の方がパワーを持っていることもある」と語る津野氏

簡単に言えば、一方が何らかの「パワー」を持っているということです。たとえば、職位が上の人は、下の人に対して、職位による強制力を有しています。

あるいは、職位や立場が下の人からのパワハラもあります。「逆パワハラ」などと言われたりもしますが、これは逆でもなんでもなく、その部下のほうがパワーを持っていたということです。

そのパワーのなかには、ある業務に関する専門的な知識を持っているとか、社長と仲がよい、親族が社長であるといったことも含まれます。これらはパワーとして非常に強力ですよね。

逆らったり、何らかの形で歯向かったりすると不利益を被ると予想できるようなパワーを一方の人が持っていること、それが「優越的な関係」という意味合いになります。

パワハラに該当するか否かの判断ポイント

──ある行為がパワハラに該当するかどうか、どのように判断すればよいですか。

この判断基準の正確な理解については、厚生労働省の「指針」(「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」)で、先ほどの3要件を詳しく解説しているので、そちらを参照するのがよいと思います。

そのうえで、最もわかりやすい方法としては、第三者目線で見たときに「その言動は業務に必要と言えるのか」「必要だったとしても相当な範囲を超えていないか」といった観点で判断することです。

この観点において、明らかに業務上必要がないと厚生労働省が記載しているものの1つ目は「身体的な攻撃」(暴力)です。

殴る蹴るといった行為が業務に必要であることはまずありません。

2つ目は「精神的な攻撃」です。「お前はバカだ」とか「死ね」といった発言も、業務上必要になることはまずありません。

次ページ3つ目は「人間関係からの切り離し」
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事