狙われた牧野フライス、ニデック買収提案で"苦境" 「質問状」では拒絶感あらわ、迫るタイムリミット
牧野フライス側はこの発言を「競合の提案を委縮させる」と質問状で非難。ニデック側は「本公開買付けをやり抜く覚悟が必要である、という意気込みを表したもの。萎縮させる意図はない」と回答書で釈明した。ここまで意思の固い相手と、生半可な気持ちでは競り合えないだろう。
では、自力で企業価値を高められるのか。牧野フライスは「当社の本源的価値の算定に資するため」として、2月12日付で2030年3月期までの事業計画を発表。総還元性向を従来の35~45%から60%へ引き上げたほか、2029年度に連結売上高2900億円(2023年度は2253億円)、営業利益率12.5%(同7.2%)の目標を掲げた。
同社は近年、高単価な5軸加工機や大型機の販売を伸ばしており、さらに収益性を高めていく方針だ。設備投資や資金配分の見通しも示した。レコフの澤田氏は「これまでのIR資料と比べて内容が充実している。施策が具体的でわかりやすく、魅力を感じる投資家も一定数はいるだろう」と評価する。
ニデックとの面談で何を語るのか
ただ、TOB開始までに残された時間は少ない。牧野フライスの株価は現状、買い付け予定額の1万1000円を超える水準での取引が続く。落としどころを探るとすれば、今後は価格の引き上げ交渉が焦点になるかもしれない。
牧野フライスは文書のやり取りで論点を絞ったうえで、ニデック側との面談に臨む方針を明らかにしている。その後は特別委員会の結論を待って、賛否の態度を公表するとみられる。「打診なきTOB」に経営陣はどのような決断を下すのだろうか。
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