フランスは「平均44歳」欧州に旧型客車多い事情 鉄道復権で中古需要活発、新車導入も進むか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

では、5カ国のうち平均車齢が最も低いドイツはどうか。ドイツも主要都市間輸送の主力は高速列車ICEとなり、今後も基本的にはICEなど固定編成の列車への置き換えが見込まれている。

ドイツ 客車IC列車
徐々に淘汰されつつあるドイツの旧型客車(撮影:橋爪智之)

だが、近年は都市間列車のインターシティに新型の2階建て客車(IC2)を投入しているほか、既存の客車による国際列車ユーロシティの置き換え用として新型客車(ICE-L)の導入を決めるなど、客車列車は衰退一辺倒ではない。数は少ないとはいえ新型客車の投入が続いていることが、平均車齢が低くなっている要因だ。

DB IC-dosto
ICE投入と並行して新型客車も導入されているドイツ。インターシティ用の2階建て客車(撮影:橋爪智之)

「客車」が長年主力だった理由

ヨーロッパで客車列車が長らく主力だったのは理由がある。地続きのヨーロッパ大陸では国際列車が多く運行されているが、各国で電化方式や信号システムが異なる。このため、電車や気動車の場合は乗り入れ相手国の電圧や信号に対応した車両を製造しなければならず、それよりは国境で各国の機関車につなぎ変えればいい客車列車のほうが効率的だった。

SBB CZ ナイトジェット
柔軟な編成が組める客車は国際夜行列車に今も多く残る(撮影:橋爪智之)
ポーランド ベラルーシ 夜行列車
ポーランドとベラルーシへ向かう客車夜行列車(撮影:橋爪智之)

季節による需要の変動が大きいことも客車が好まれた理由の一つだ。固定編成の電車や気動車は、多客時には同じ編成を複数つなげて運行するが、細かい需要の変動には対応しにくく供給過多になることもある。

関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事