「生活保護から抜け出せなくなる」38歳男性の絶望 「働きたいと願う障害者」の働く場所がない

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しかし、実際に障害者として生きる社会は想像以上に厳しかった。

体の障害のことを考えると、就職は在宅勤務であることが条件。さいわいすぐに大手IT企業に障害者雇用で、5年契約のアルバイトとして採用された。自社の動画配信サイトやSNSをチェックし、倫理的・道義的に問題のある映像や言葉、違法なコンテンツを見つけて会社に報告する、いわゆる「サイトパトロール」といわれる業務に就いた。

「例えば過剰に体を露出した配信者や、『死ね』『殺す』といった過激な言葉、差別的な言葉を見つけると報告します」

フルタイムで、時給は最低賃金水準。月収は10万円ほどだったが、月約6万円の障害年金と合わせると何とか生活することができた。一方で「報告するだけの仕事なので、自分の判断が合っているのか、成果を出せているのかわからないんです。もっと頑張りたいと思っても、どうしたらいいのかわかりませんでした」とヨシツグさんは言う。

「障害者の使い捨てではないか」

ヨシツグさんが頑張りたいと思った理由は、安定して働き続けたかったからだ。一時は上司から雇用契約を更新できるかもしれないと伝えられた。ヨシツグさんは、非正規労働者が同じ会社で通算5年を超えて働くと、無期雇用に変更できる「無期転換ルール」が法律で定められていることを知っていた。契約更新できれば無期雇用になれる。そう期待が膨らんだ。しかし、結局は5年で雇い止めに。

クビを通告された際は「障害者の使い捨てではないか」と抗ったが、結果は変わらなかった。雇い止め後に足を運んだハローワークで、会社が同じ業務で新たに障害者を募集する求人を出しているのを見つけたときは、理不尽な思いが募ったという。

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