日本人が不安定な社会で「自分の財産」を守る方法 トランプ大統領の再登場で心配される2025年

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2025年の投資環境を考えたときに、やはり最大のインパクトはトランプ大統領の登場だろう。しかも彼はカナダをアメリカに統合するとか、グリーンランドをアメリカが買うといった奇想天外な政策を打ち出している。そういう意味では、これまでの常識が通用しない。株式市場や債券市場といったオーソドックスな金融マーケットだけに投資していたのでは、リスクが高い資産運用になってしまうかもしれない。

そう考えると、2024年には大きく値上がりした金価格と暗号資産にも、やはり注目せざるをえない。引き続き2025年も有力な投資商品と言っていいかもしれない。

例えば、金価格は過去最大級のリターンを記録した。約27%上昇し1トロイオンス=2800ドルを瞬間的とはいえ超えた。これは、S&P 500の上昇率を25%以上も上回っており、ジャスダック総合指数の上昇幅に対して30%を超える水準となった。JPモルガンやゴールドマンサックス、シティグループのアナリストなどは揃って目標価格を1トロイオンス=3000ドルとしている。

金が強い背景事情

その背景には、インフレが収まりつつあるため将来的に金利低下が予想され、地政学的なリスクの高まりがある。さらに世界中の中央銀行が金の保有量を高めており、とりわけ中国政府の金保有量は2008年以降、3倍余りに増加している。調査機関のワールドゴールドカウンシルは中央銀行の29%が、今後1年間に金の保有量を増やす意向だと発表している。

さらに大切なことは、トランプ政権が打ち出すさまざまな政策の影響を「金は最も受けにくい」と思われていることだ。金以外の貴金属や通貨は、貿易戦争に弱く、インフレなど大きな痛手を被る可能性がある。金だけは、貿易が混乱してもその影響が抑えられるだろうと言われている。地政学リスクなど、トランプ政権のもたらす混乱にも金は強いはずだ。

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