妻との出会いは「管理職セミナー」59歳男性の幸運 「シングル志向者」だった2人の出会いと夫婦生活

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結婚後の姓も英輔さんが改めた。自営業の麻里さんの手続き負担を減らすためだ。英輔さんの旧姓は「堅苦しくて嫌だった」とのこと。ギャンブルで家族を苦しめた亡き父と名前の上でも離れたかったのかもしれない。

会えない日を少しずつ減らしていくような夫婦生活

結婚してから現在に至るまでの3年間でケンカを一度もしたことがないという2人。それぞれ責任のある立場で働いているので、職場までの通勤時間を考えて別居生活が続いている。

「土日は彼女が私の家に来て、水曜日は私が彼女の家に行っています。とても楽しいです。1人暮らしが好きだった私ですが、今では彼女と一緒にいられない4日間は寂寥感が募ります」

この点に関しては麻里さんも同意する。自宅から塾への通勤は車で10分。夜遅くなることも多いので職場までの近さは必須だが、家事が面倒になってしまったと笑う。

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「料理を作ることは嫌いではありませんが、自分1人のためだと面倒になってしまいますね。英輔さんと一緒に食べるのでなければつまらない。1人のときはあまりに適当なものを食べているので英輔さんから叱られたりしています」

日本人の夫婦には「愛している」という言葉を交わす習慣がない。しかし、「あなたがいないと寂しい、つまらない」とつぶやくのは愛の告白と同じだ。

英輔さんはそろそろ定年退職を迎える。麻里さんも後継者が育てば塾の運営を任せられるようになるだろう。お互いに歩み寄って、会えない日を少しずつ減らしていくような夫婦生活もいいものだな、と思った。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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