深刻化するオーバードーズ、販売見直しで防げるか 薬局やドラッグストアに求められる対応とは?

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オーバードーズ問題の深刻化を受け、法改正を見据えた議論が大詰めとなっている(記者撮影)

医薬品の過剰摂取、いわゆる「オーバードーズ」の問題をめぐって、薬局やドラッグストアでの市販薬の販売方法が見直されそうだ。

厚生労働省と総務省消防庁が全国の主な消防本部などに行った調査によれば、医薬品の過剰摂取の疑いで救急搬送された人の数は2022年だけで1万0682人。このうち最も多かったのが20代で3295人となり、特に若者の間で増加傾向が目立っている。

国立精神・神経医療研究センターが2021年に行った別の調査では、過去1年以内に市販薬を濫用した経験のある高校生は約60人に1人。オーバードーズは若者にとって身近な場所で起きている実態が改めて浮き彫りとなった。

こうした問題の深刻化を受けて、厚生労働省は専門家による会議で医薬品医療機器等法(薬機法)の改正を視野に入れた対応を協議。年内に制度改正の内容がとりまとめられ、2025年には薬機法の改正案が国会に提出される見通しだ。

規制はどう強化されるのか?

これまでの会議で示された資料によると、規制の対象となるのは咳止めや総合感冒薬(かぜ薬)などに使用されるコデインやエフェドリンといった6つの成分のいずれかを含む市販薬。これらはすでに、厚生労働省が「濫用等のおそれのある医薬品」に指定している。

今回の改正では、こうした医薬品について、小容量1個の販売を原則としたうえで、20歳未満に対して複数や大容量の販売をしないことや、販売する際にはどの年齢であっても薬剤師などが購入者の状況を確認すること、年齢にかかわらず濫用に関する情報提供を必ず行うことなどが新たに義務づけられる。

そもそも市販薬は、薬剤師や薬に関する専門知識を持つ登録販売者が服用方法や容量などを正しく情報提供して販売することが前提だ。

これまでも、濫用のおそれのある医薬品について複数の購入を希望する場合には理由を確認することや、若者の場合には身分証明書によって氏名や年齢を確認することが省令で義務付けられていた。

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