「低偏差値校→難関大」合格に導いた先生の教え ほかの先生に理解されない中、受験指導続ける

✎ 1〜 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 10
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

くじけそうな生徒への声かけが絶対的にうまい」と同僚の先生が語る人心掌握の力が、生徒の頑張りを支えるのには必要な要素のようです。

長い間この会を続ける有田先生の考え方の根幹には、「難関校に合格することは目標ではなく、手段」という信念があります。

「どこの大学に入ったかが大事なのではありません。大学や専門学校に行っても、就職するにしても、いちばん重要なのは自分と向き合い、目標に向かって努力し、もがいていく中で、周囲の人や環境に感謝できるようになること。

そして自分に自信をつけて自分を肯定できるようになったりすることで、それを今後の人生に活かしてくれることだと思っています。受験とは、自分と向き合う大切な機会の1つだと思います」

進学実績だけを目標にしない

進学実績だけを目標にしないことで、生きていくうえで大切な気づきを得られ、それが、結果的に進学実績の向上につながるのでしょう。

「私は、いつも生徒たちに『自分を好きになるために学び合おう』『大学進学がいちばんの目的ではなくて、大学の向こうへ行こう』と言ってきました。だからこそ、今、卒業生たちが大学に入ってから、それを体現してくれていて嬉しいです。このような状況は、どの学校にも見られない貴重な時間ではないでしょうか」

偏差値40台の「教育困難」な状況からのスタートであったとしても、生徒との距離を大切にして決して否定せず、わかるまで何度も復習を繰り返し、生徒と一緒になって勉強を楽しむ先生の姿勢が、偏差値40台の高校からも難関大輩出を可能にしているのでしょう。考え方次第で、苦痛に思える勉強も、大きなやりがいに変えられることを、有田先生は教えてくれました。

濱井 正吾 教育系ライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

はまい しょうご / Shogo Hamai

兵庫県出身、1990年11月11日生まれ。「9浪はまい」のニックネームでTwitterやYoutube、テレビ出演などを行っている。大阪産業大学経済学部経済学科に入学後、龍谷大学経済学部現代経済学科に編入学し、卒業。 高校時代にいじめを受けたことから、いじめっ子を社会的に偉くなって見返したいと思い、在学中から仮面浪人として受験勉強を4年間続ける。大学卒業後、証券会社に契約社員として就職したが10日で自主退職、同月中に配置薬会社に再就職。昼は会社、夜は予備校という生活に。同社退職後は受験勉強に専念し、9浪で早稲田大学に一般受験で合格し、2018年に教育学部国語国文学科入学、2022年卒業。現在はカルペ・ディエム所属。

Facebook: https://www.facebook.com/shogo.hamai/
 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事