【産業天気図・住宅/マンション】利益は現状高水準。ただ用地価格が次第に上昇

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06年の首都圏マンション供給は遂に8万戸の大台を割れる可能性が高くなってきた。05年まで、バブル期の倍の8万戸を超えるマンションが7年連続で供給されてきた。しかし、最近の地価上昇で用地仕入れ価格が上昇。デベロッパーは十分な利益を確保するため販売価格が上がるよう売り惜しみを始めており、これが供給減につながっている。
 ただ06年度引き渡しの物件は主に05年から供給されており、さらに土地仕入れはそれ以前にさかのぼるため、まだ用地取得価格は抑えられていた。その一方でマンション販売価格は金利先高感のあおり効果で上昇しており、各社の思惑通り、粗利益率は拡大している。
 28年連続供給首位記録を更新中の大京<8840.東証>は、06年9月中間決算で粗利益率が3.6ポイント改善の19.1%となった。またゴールドクレスト<8871.東証>は、数年前の底値時に仕入れた用地に建てた物件を販売し、06年9月中間期は粗利益率で業界トップ水準の32.4%を叩き出した。06年度の業界環境は「快晴」と言っていいだろう。
 ただ来07年度は、上述の通り用地価格が一段と上昇していることが懸念材料となる。それを販売価格に転嫁した、いわゆる「新価格」物件が、一部06年秋から供給されているが、顧客の反応は様子見状態で、売れる物件は大型で立地の良いものに限られている。
 新価格物件が出そろう07年春~秋にかけ、様子見だった顧客があきらめ、再び動き出すかが今後のマンション市場を占ううえでの焦点。業界環境としては最高だった06年度に比べ、07年度は「晴れ」にややトーンダウンしそうだ。
【藤尾明彦記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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