「ソニーKADOKAWA連合」、アニメ業界に走る激震 「ソニーにやられた」、買収すれば勢力図は一変か

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傘下の企業群をみれば、日本のアニメ産業において、ソニーが唯一無二の存在であることは自明だろう。

アニメの企画・製作会社であるアニプレックスは、「鬼滅の刃」を筆頭に数多くの人気アニメをプロデュースしてきた、業界最有力のヒットメーカー。A-1 PicturesやCloverWorksといった有力な制作スタジオも抱える。

ソニーグループの十時裕樹社長
5月の経営方針説明会で、アニメ領域でのIP創出に注力する方針を強調したソニーグループの十時裕樹社長(撮影:尾形文繁)

日本アニメの配信で世界最大級のクランチロールは、200以上の国と地域に1500万人以上の有料会員数を誇る。アニメの企画から制作、配信までのバリューチェーンを超一流の企業群でカバーするソニーに、総合力で右に出るものは見当たらない。

しかしそんなソニーですら、アニメビジネスで足りていない機能がある。IP(知的財産)をつくり出す力だ。

ソニーに枯渇していた機能

IP創出に当たっては、漫画やライトノベルなど電子を含む出版、オリジナルアニメ、ゲームといった選択肢がある。

自社で創出したIPに対して、他社からマルチメディア展開やグッズ化、宣伝利用などの引き合いがあれば、原作使用料というおいしい収入が舞い込んでくる。他社のIP利用で世の中とのタッチポイントが広がれば、原作となったコンテンツにも宣伝効果をもたらすため、エンタメ業界各社はIP創出への意欲を高めてきた。

ソニーにはアニプレックスの「リコリス・リコイル」など、直近でもオリジナルアニメのヒット作は存在する。ただ、アニメやゲームの制作費は年々高騰しており、クオリティを求めると、アニメであれば1クール13話で5億〜10億円規模、ゲームに至っては1タイトルあたり数十億~100億円規模の投資も珍しくない。原作ファンを取り込めないオリジナルアニメを連発することは、投資回収リスクの観点からも非現実的だ。

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