このような直接的な関わりのおかげで、トランプ政権が中国で製造するほかの企業の締め付けを行う中でも、アップルは自社製品の多くに対する関税を回避できた。
そして今回、テック企業のトップたちはクックの作戦を踏襲している。メタCEOのザッカーバーグは、7月の暗殺未遂事件後にトランプを電話で激励。グーグルCEOのピチャイは、今回の選挙運動中にマクドナルドに立ち寄ったことがグーグル上で歴史的な盛り上がりを見せた、とトランプに伝えた。
また、アマゾンCEOのアンディ・ジャシーが電話で自己紹介をする一方、前任者のベゾスはトランプに電話をかけ、7月の銃撃事件をものともしないトランプの打たれ強さを称賛した。
これら経営者たちはトランプを公に支持することはなかったものの、11月5日の選挙にトランプが勝利すると、ソーシャルプラットフォーム「X」に祝福のメッセージを投稿し、トランプをもてなした。
クックはトランプ前政権時代、物議を醸すトピックについては経営者仲間の中で最後に意見を述べるのが普通だったが、今回も最後に次のような言葉を送った。
「トランプ大統領、勝利おめでとう! あなたとあなたの政権との関わりを楽しみにしています」
トランプ接近は経営者として「正しい」行動
イェール大学の経営学教授で、長年にわたって経営者やトランプに助言を与えてきたジェフリー・ソネンフェルドは、トランプへの直接的な働きかけと静かな求愛は「正しい行動」だと述べ、大統領が誰であろうと関係を築くことは、株主に対する経営陣の責任だと指摘した。
「彼らは信頼関係を築いていた。そして、それが正しいやり方なのだ。個人として親密な関係を築けば、将来に向けた基盤ができる」とソネンフェルドは言う。
トランプに接触することで、テック企業の経営者たちは、接戦の選挙を前に単なるリスクヘッジ以上のことを行っていた。シリコンバレーとワシントンの関係改善に向けた土台を築いてもいたのだ。
2016年のトランプ・タワーでの会談後、テック業界のリーダーたちとトランプの関係は急速に悪化した。
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