日清紡HD「請求書受領のデジタル化」の効果とは 「例外を生まない」システムで本当の改革を

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日清紡ホールディングスの財経グループでTOKIUMインボイス導入に関わったメンバー(右から島本義裕氏、藤田遼太郎氏、西山菜々実氏、山本みなみ氏、大橋香織氏と、導入支援などで伴走したTOKIUMの篠原啓輔氏(左)
日清紡ホールディングスの財経グループで「TOKIUMインボイス」導入に関わったメンバー(右から島本義裕氏、藤田遼太郎氏、西山菜々実氏、山本みなみ氏、大橋香織氏)と、導入支援などで伴走したTOKIUMの篠原啓輔氏(左)
請求書の受領業務は経営の基盤を支える重要なプロセスの1つだ。正確な支出管理は適切な経営判断や取引先との信頼関係を維持するうえでも欠かせない。しかし、多様化する請求書の形式、新たな法対応などによって、経理部門にとって管理の負担が高まっているという。こうした中、紙の請求書から脱却することによって、経理業務の効率化を果たしたのが日清紡ホールディングス(以下、日清紡HD)だ。

ビジネス転換の加速で高まった経理業務改革のニーズ

綿紡績を祖業とする日清紡HDは、企業理念の「挑戦と変革。地球と人びとの未来を創る。」に基づき、ビジネスモデルを転換してきた。2024年2月には、「中期経営計画2026」を公表。センシング・無線通信・情報処理技術で、社会課題へソリューションを提供することを掲げた。

経営戦略センター 財経・情報室 専門部長 兼 財経グループ長の島本義裕氏は、「事業ポートフォリオの変革に伴い、経理業務にも従来とは異なる管理体制や効率化が求められていました」と振り返る。

島本義裕氏 日清紡ホールディングス 経営戦略センター 財経・情報室 専門部長 兼 財経グループ長
島本 義裕 
日清紡ホールディングス 経営戦略センター
財経・情報室 専門部長 兼 財経グループ長

さらに、コロナ禍の影響で社会情勢が急激に変化し、これまでの経理業務を抜本的に見直す必要が生じていた。社内での変革の機運と外部環境の変化が重なり、より柔軟で効率的な業務体制の構築が大きな課題となっていた。

従来、日清紡HDでは、アナログな手法で請求書を処理していた。具体的なプロセスとしては、まず紙の請求書を受け取り、責任者が押印して回覧する。経理部門は、押印済みの請求書を「正」とし、承認が正しく行われたことを確認していた。その後、紙の請求書はファイルに綴じられ、保存。メール添付やダウンロード形式の請求書が増えてきてはいたが、押印のために、すべて紙に出力する必要があった。

「請求書の承認を得るために複数名の押印が必要で、これが業務全体に大きな負担をかけていました。しかも、コロナ禍によりリモートワークに移行したことで、紙ベースの請求書処理がさらに困難な状況になりました。これまで紙の請求書を受け取り、手作業でシステムに入力していましたが、リモートワーク環境では紙ベースの処理はできず、支払いの遅れを招く状況になりかねません。経理業務の中でも、とくに請求書の処理はデジタル化が急務になりました」(島本氏)

「TOKIUMインボイス」を選んだ理由

そこで島本氏のチームは、経理業務改革のため複数の請求書受領サービスを比較検討。「TOKIUMインボイス」の導入に至る。「TOKIUMインボイス」は、形式を問わず請求書の受領を代行し、請求書をクラウド上で一元管理できるサービスだ。

請求書の取引先名、金額、支払期日、振込先情報などがデータ化され、承認のプロセスもオンラインで完結できるため、紙の管理や押印から解放される。インボイス制度にも対応しており、適格請求書発行事業者登録番号の入力や確認も不要。もちろん電子帳簿保存法にも対応しており、こうした法制度対応にかかる工数を抑えられる。

「すべての請求書の形式に対応し、一元管理できるサービスを導入する必要がありました」と島本氏。「TOKIUMインボイス」を選んだ決め手について、次のように続ける。

「サービス検討をする中で、請求書を発行するお取引先様にプロセスの変更が生じるような負担をかけないことが重要だと改めて認識しました。とはいえ、請求書を受け取る形式は紙だけでなくメール添付やウェブサイトにアクセスしてダウンロードする形式など多様化しています。そのため、一部でも例外なく請求書を一括で受け取れるサービスを導入したいと思いました。請求書を受け取る現場の部署は多岐にわたります。一部でも例外が残ると、例えば、メールを確認して請求書をダウンロードしなくてはならないといった社内での作業が残ってしまい、業務効率の改善効果を薄めてしまいかねません。こうした私どもの要望を満たせるサービスが『TOKIUMインボイス』でした」

また、「TOKIUMインボイス」導入プロジェクトの実務を担当した山本みなみ氏も、インボイス制度の開始や電子帳簿保存法を見据えると、いち早く導入を進める必要があったと振り返る。

山本みなみ氏 日清紡ブレーキ 事業統括部 経理課
山本 みなみ 
日清紡ブレーキ 事業統括部 経理課

「インボイス制度が本格的にスタートすると、インボイスの記載要件の確認や、システムへ入力する内容の増加などで業務が煩雑化することが見込まれ、従来の方法では限界があると感じていました。また、電子帳簿保存法の対応においても、請求書を受け取る担当者が適切に電子データを保存しなくてはならず、担当者の負担が増えてしまう懸念がありました。そうした課題を払拭するためにも、『TOKIUMインボイス』は必要なサービスだと感じました」

導入を決定した後、取引先の住所録作成や請求書送付先変更の案内などはTOKIUMによる代行サポートを活用しながらプロジェクトを進めていった。さらに島本氏のチームメンバーは、請求書を受領する現場への説明を重ねていった。やり方を変える場合、関係者が多いほど苦労も多くなるが、島本氏は次のような工夫をもって取り組んだという。

「『TOKIUMインボイス』を日清紡HDおよび子会社4社に展開するに当たっては、実際にシステムを利用することになる関係者と一緒に考え、共に進めていくスタイルを取ることにしました。過去に会計システムを更新した経験を踏まえ、単に『システムを変えます』と通知するのではなく、請求書に関わる関係者と密にコミュニケーションを取りながら進めることで、プロジェクトが円滑に進んでいくと考えていたからです」

膨大な請求書から経理担当者を解放し、業務の風景が変わった

「TOKIUMインボイス」について、山本氏は「ここが少し使いにくいなと感じた部分を伝えると、しばらくして機能をアップデートしてもらえたのは助かりました」と振り返る。

日清紡HDに伴走したTOKIUM執行役員の篠原啓輔氏は、次のように語る。

篠原啓輔氏 TOKIUM執行役員 
篠原 啓輔 
TOKIUM 執行役員 

「私たちは、日ごろからさまざまなお客様とお会いし、多くのご意見をいただいています。そうしたフィードバックを集約し、つねに進化し続けるシステムを目指して、多くのお客様に喜んでいただける機能を追求しています」

また、島本氏は大手企業ならではのITガバナンスの問題をクリアするに当たり、TOKIUMの対応が印象的だったという。

「当社では、情報漏洩を防ぐためのパスワード管理や、アクセス権限を持つ人間の管理を重要視しています。サーバーの管理やセキュリティーに関しても、情報システムグループが徹底的に確認を行い、それらの基準をクリアしなければシステムの導入は進められないため、当社の厳格な基準に基づいて対応していただきました」

「TOKIUMインボイス」を導入したことで、請求書に関わる業務の風景は大きく変わった。

「まず、紙の請求書の管理は、ほぼ必要なくなりました。以前は毎月1300枚程度の請求書を紙ベースで保存・管理していたため、保存作業に手間がかかっていました。しかし、『TOKIUMインボイス』の導入によって、請求書が電子化され、紙での保存が不要になり、システム上で簡単に請求書の内容を確認できるようになったため、作業が大幅に楽になりました」(山本氏)

そして、もう1つの効果が経理部門の柔軟な働き方の実現だ。「リモートワークも浸透し、請求書処理のために出社する必要がなくなり、働き方に柔軟性が生まれました。さらに、紙の減少により、オフィススペースの有効活用も可能になりました。今では、経理部門もフリーアドレス制を導入しています」(島本氏)

「TOKIUMインボイス」は、日清紡HDにおける業務改革を支える重要なツールとなっている。「今後はグループ会社への展開も計画しており、さらなる業務効率化を目指している」と島本氏。経理業務改革は、これからも続いていく。
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