ブックオフ「続々閉店?」報道の裏で進む大変化 「本を売るならブックオフ」は次第に過去のものに

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店舗数の推移を見れば一目でわかる。2018年3月期では、ブックオフが699店舗、プラスが55店舗、スーパーが41店舗だったのに対し、24年3月時点ではそれぞれ619店舗、48店舗、68店舗と変化している。ブックオフがそれなりの数閉店し、プラスはやや減り、その代わりにスーパーバザーが増えている(2018年3月期、2024年5月期の株主向け説明会資料より)。

「スーパーバザーが増えていると言っても、全体店舗数だと減ってるのでは?」という声もあるだろう。確かにその通りなのだが、でも、これにも理由がある。

例えば、山梨県の甲府を見てみよう。甲府では3月15日に「BOOKOFF 甲府下石田店」と「BOOKOFF 甲府平和通り店」の2店舗が閉店している。どちらとも「ブックオフ」業態だ。そして、この2店舗が統合する形で「BOOKOFF SUPER BAZAAR 甲府貢川店」が誕生。小規模店を閉鎖し、より商圏が広く、商品種の多い業態に変えるから、全体の店舗数の減少も見られるわけだ。

「富士吉田店」
同じく山梨にある「富士吉田店」。こちらは閉店するわけではないが、こうした小規模店から大型化にシフトしていっている。ちなみに横に映るのは富士山(筆者撮影)

このように、ブックオフは「スーパーバザー」化という名の「大型化」を進めている。

つまり、今回報道された「ブックオフ閉店」は、表面上の出来事としては合っているのだが、それをそのまま「ブックオフの業績悪化」と受け止めるのは早計だ。むしろ「ブックオフの変化」として、この現象は捉えるべきなのである。

どうして「大型化」を進めるのか?

でも、どうしてブックオフは大型化を進めるのだろう。

その謎を解くため、調査班は「スーパーバザー」に足を運んでみることにした。訪れたのは、BOOKOFF SUPER BAZAAR 立川駅北口店だ。

看板
BOOKOFF SUPER BAZAAR 立川駅北口店。いつの時代もこの看板があると興奮する筆者なのであった(筆者撮影)

立川駅前のビルに入っていて、スーパーバザーの中では面積が小さいほうなのだが、それでも売られている商品種は膨大だ。

ブックオフ
BOOKOFF SUPER BAZAAR 立川駅北口店の中はこんな感じ。「スーパーバザー」業態では、もはや本は売り物の一部に過ぎないのだ(筆者撮影)
ずらりと並ぶブランド品
ずらりと並ぶブランド品(筆者撮影)
じゃらじゃらしてる
じゃらじゃらしてる(筆者撮影)
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