「Z世代はすぐに転職する」真偽をZ世代に聞く 転職への関心と会社への忠誠心は共存しうる

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原田:私は、人生全体を通して何をやるかが一番重要だと思っているので、そのゴールは学生の今は見えてはいませんが、そのための手段として転職はあるのかなと思っています。

ただ、会社への帰属意識がないかと言われると、全然そんなことはありません。もし私が何かやりたいことが見えてきたとして、そう思えたのはきっとその会社で経験を積んだからだと思いますし。ですので、転職はたしかに選択肢としてあるけど、企業への忠誠心、帰属意識は当然のように両立するのかなって思いますね。

舟津:すごくわかります。今って、「日本経済は落ち目だけど、あなただけは助かりましょう」みたいな利己的な生き方が強調されることがあります。でも、なりふり構わず自分だけは生き残ろうっていうのは実は商材の宣伝文句でしかなくて、他者への貢献意識なくてはやっぱり生きていけないと思うんですよね。

今回の座談会で何か1つ結論めいたものを導くとしたら、みなさんには自分とか個っていうのが間違いなくありますけど、他の要因と複雑に絡み合っているというか、バランスがとれている。前回のSNSにしても、まったく知らないわけでもなければ依存しているわけでもなくて、自分の中でコントロールできている。そのうえで自分があるっていうのが大事なことですね。

Z世代として社会に求めることはあるか

舟津:最後に、無茶ぶり的な質問になっちゃうんですけど、Z世代の立場として、あるいは個人の立場としてもいいので、社会に求めるものがあったら教えてもらえますか。「今の日本社会、最高だと思います」みたいなものでもいいので。何か言えることがあれば。

原田:私から社会に対して求めることがあるとしたら、自戒の意味も込めて、自分を省みる人がもっと増えたらなと思います。共産主義とか学生運動で言われる自己批判というわけではないんですけど、「多様性の時代だから、変わらなくていんだよ」とか「そんなうるさいことは言うな。俺は俺なんだ」っていう個人主義も行き過ぎているように思うところもあるので。それでいて、SNSの炎上みたいに、他人ばかり批判している側面もあって、自分を省みる思想がもっと日の目を見てもいんじゃないかなって思いますね。

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