牛と豚を独自の配合でブレンドした合いびき肉は、しっとり柔らかで肉汁たっぷりです。ハンバーグソースも「実はかかってました」ぐらいの控えめさなのに、しっかりおいしい。ハンバーグをお箸で割って口に入れると、ふわぷりの食感とともに、目には見えない飴色玉ねぎの旨みが広がります。硬めに炊いたライスを、お皿のくぼみにたまったソースにつけて食べると、これまた絶品なのです。
ワクワクテーマパークから、落ち着けるいつもの店へ
今回筆者が訪れた店舗は、都心の駅チカ路面店で、5月にオープンしたばかりの店舗です。以前も並びにお店があったのですが、いつの間にか閉店して今回の店舗にお引っ越ししていました。
私のなかでは「びっくりドンキー」というと、店の雰囲気込みで楽しみに行くテーマパークのような印象があったのですが、徐々にそのイメージが変化してきています。
以前の店舗は天井に古びた自転車がディスプレイされていたり、岩を模した壁や、レンガにウッドフェンスなど、アメリカの開拓時代にタイムスリップしたような、インディージョーンズの世界を探検するような演出がされていました。
今回の店舗は、壁一面にネイビーグリーンのウィリアム・モリスの壁紙が貼られ、建具はツヤツヤの焦茶色。広々とした店舗なのに、落ち着いた空間に仕上がっていました。まるで「赤毛のアン」の世界。男心くすぐる大冒険活劇から、少女文学へと大幅なイメチェンです。
月曜日の朝10時頃。広い店舗なので全体を見渡すことはできませんでしたが、筆者のまわりのテーブルは、ひとつとばしで埋まっています。驚いたのはカップル、ファミリーだけでなく、1人客も複数いたこと。
「友達や家族、大人数でたまに行く、テーマパーク的なお店」ではなく、「1人でも入りやすく、居心地よくすごせる、いつも行くお店」にシフトしていっているのだなと感じました。
4人掛けの席に1人で座り、ゆっくりモーニングを食べたのち、スマホを眺めながらコーヒーを飲む。並んで注文するセルフオーダー式のカフェチェーンや、カウンター席で食べるファストフード店にはないゆとりが、そこにはありました。
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