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「恐ろしい形でも、恐怖が早く終わるほうがいい」 佐藤優の情報術、91年ソ連クーデター事件簿73

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  • 佐藤 優 作家・元外務省主任分析官

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筆者は、ソ連共産党守旧派によるクーデター計画が失敗した後、イリイン氏(ロシア共産党第2書記)がどのような生活をしているのかについて、恐る恐る尋ねてみた。

──答えにくいことを尋ねてもいいでしょうか。

「いいよ」

──8月21日に国家非常事態委員会が解散しロシア共和国のエリツィン大統領が権力を掌握してから、あなたの生活はどのようになりましたか。答えたくないならば、無視してくださって構いません。

「22日はいつもと同じようにロシア共産党中央委員会に出勤した。KGB(ソ連国家保安委員会)と検察がやってきて家宅捜索を行い、手帳や書類を押収した。私たち幹部の執務室を封印した。それから毎日、尋問があった」

検察による取り調べ

──一時的にでも身柄拘束はされなかったのですか。

「幸い、されなかった。検察官からは書類の廃棄や口裏合わせをして罪証隠滅をするなと言われた。電話は盗聴されているし、24時間態勢で尾行されている。このレストランに来るときも尾行がついていた。まあ、国家反逆罪の容疑者なのだから、こういう対応をされるのはやむをえない」

そう言って、イリイン氏は苦笑いを浮かべた。

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