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暗号資産の「寵児」、サムの世界はなぜ破綻したか? 『1兆円を盗んだ男』など書評3点

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[Book Review 今週のラインナップ]

・『1兆円を盗んだ男 仮想通貨帝国FTXの崩壊』

・『経営の力と伴走支援 「対話と傾聴」が組織を変える』

・『脱税の日本史』

『1兆円を盗んだ男 仮想通貨帝国FTXの崩壊』マイケル・ルイス 著/小林啓倫 訳(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・慶応大学教授 坂井豊貴

サム・バンクマン=フリードは暗号資産業界のスターで、時代の寵児だった。世界2位の取引所FTXと、それとほぼ一体化した投資会社アラメダ・リサーチの創業者だった。サムはいつも髪がぼさぼさで、よれたTシャツを着て、短パンをはいていた。諸説あるが、一時期の総資産は100億ドル超。だが2022年11月にFTXは破綻し、彼は逮捕された。

FTXを中核とする「サムの世界」は驚くほど無秩序で、かつ効果的利他主義という秩序が通奏低音に流れていた。本書はサムの世界の成り立ちから破綻までを描いている。

通奏低音は「効果的利他主義」 サムの世界はなぜ破綻したのか

サムは静かで知的で、威張ったところがない。だが彼は、他者の気持ちに合わせたり社会常識を守ったりできない。例えば人との打ち合わせ中にテレビゲームの手を止めない。イベントへの参加を依頼されイエスと答えても、実はイベント直前まで参加するかを決めていない。ファッション界の超大物アナ・ウィンターは、サムにファッションの祭典メットガラへの参加をドタキャンされ激怒する。

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