あなたのスマホを乗っ取る「SIMスワップ」の脅威 本人確認に必要なショートメッセージを受信

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今回の事件では「偽造マイナンバーカード」が使われたと言われている。

マイナンバーカードの券面を偽造し、本人になりすまして、キャリアショップに「スマホを紛失してしまった」と再発行手続きを行ったか「他社から乗り換えたい」とナンバーポータビリティでの新規契約をしたとみられる。

キャリアショップの店員は単にマイナンバーカードの券面だけを見て、本人が契約に来たと思い込んだようだ。

最近、Netflixの「地面師たち」というドラマが話題だが、パスポートや運転免許証など、券面だけであれば簡単に偽造することが可能だ。ただし、券面の写真やすかし、ICチップを埋め込むことはできても、ICチップの中身まで偽造することは不可能だ。

キャリアショップでICチップの中身まで確認すれば、SIMスワップは起きなかったと思われるが、本人と思われる人を前にして、そこまで厳密な本人確認をしなかったようだ。

マイナンバーに一本化するのが理想だが…

一部のキャリアでは「直近では(SIMスワップのような)報告は受けていない。数年前に同じような疑わしい案件があったため、店頭での本人確認をしっかりと強化してきた」(KDDI、髙橋誠社長)と対策を万全にしてきたところもある。

そんな中、デジタル庁では2024年8月20日、マイナンバーカードを使った対面での本人確認を可能とする「マイナンバーカード対面確認アプリ」の配信をiOSとAndroid向けに開始した。

このアプリを起動すると、まずマイナンバーカードの券面を撮影。さらにスマートフォンのNFCポート部分をマイナンバーカードに当てると、ICチップに記録されている情報を表示させることができる。これにより、券面とICチップの情報が合っているかの確認ができるというわけだ。

今後、キャリアのオンラインショップでは本人確認はマイナンバーカードに一本化される。ただ、街中のキャリアショップ、リアル店舗ではマイナンバーカードだけでなく、運転免許証や在留カードでの本人確認も行っていくという。

SIMスワップの被害をこれ以上拡大させないためにも、リアル店舗でもマイナンバーカードによる本人確認に一本化するのが理想だ。だが、一方で「マイナンバーカードの取得は任意のはず。携帯電話契約時の一本化は強制的に取得の義務化につながる。おかしい」という反対論も根強いため、一筋縄ではいかないようだ。

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