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SFが描く"究極"のビジョン「ディストピア」を分析 『ディストピアSF論』書評

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  • 大澤 博隆 慶応大学准教授 慶応大学サイエンスフィクション研究開発・実装センター所長

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ディストピアSF論 人新世のユートピアを求めて(海老原 豊 著/小鳥遊書房/3080円/352ページ)
[著者プロフィル]海老原 豊(えびはら・ゆたか)/SF評論家。1982年生まれ。慶応大学大学院修士課程修了。「グレッグ・イーガンとスパイラルダンスを」で第2回日本SF評論賞優秀賞を受賞。単著『ポストヒューマン宣言』、共編著『3.11の未来』、共著『ポストヒューマニティーズ』など。

科学と技術の新たな可能性を描くSFは、未来に対する楽観的なイメージと結びつきやすい。しかし実際のSFは必ずしも科学技術に肯定的な作品ばかりではなく、むしろ批判的に描く傑作も多い。社会の各要素が持つ特徴の拡大(誇張)を通じて、現実社会の歪みを暴き出すこともある。

そうした批判的SFは、私たちの社会に対する一種の仮想的な負荷試験のようなものである。現実の社会は壊せないが物語をどう展開するかは自由だ。近年この種のSFをビジネスに生かす試みとして、SFプロトタイピングの一種「脅威キャスティング」も行われている。

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