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イスラエルvs.イラン「中東全面戦争」の現実味 「暗黙のルール」維持も徐々に高まる緊張

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  • 池滝 和秀 ジャーナリスト、中東料理研究家
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等価報復の原則からすれば、イスラエルの指導者らを暗殺するのが妥当だが、イランやヒズボラにはイスラエル対外情報機関モサドやイスラエル軍に比肩するような情報収集能力や携帯電話の盗聴などの技術力はない。

ヒズボラとしてはイスラエルがレッドラインとするハイファなど都市部を標的として、これまで以上にインパクトのある報復を行うことを検討しているとみられるが、紛争が拡大するのも回避したいところだろう。

イランは4月に行ったイスラエルへの報復攻撃では市民の犠牲を出さないよう居住地域から離れた場所にある軍施設を狙っているが、今回も同じような場所を狙えばインパクトに欠けるため、テルアビブなど都市部にある軍関連施設が標的になるとの見方もある。

イスラエル「レバノンを石器時代に戻す」

ただ、イスラエルも攻撃された場合には報復すると警告しており、ヒズボラとイランも慎重に標的は検討せざるを得ない。イスラエルはガザ戦争での軍事力行使のハードルが大幅に下がっている。

イエメンのシーア派系ザイド派のフーシ派によるテルアビブへのドローン攻撃では、イスラエルはイエメンの港湾都市ホデイダの発電所や燃料貯蔵施設を狙い、民間人1人死亡に対して過剰とも思える報復行動に出ている。

イスラエルは「レバノンを石器時代に戻す」とし、ヒズボラの行動次第ではベイルートなどを激しく空爆する可能性を示唆している。イエメン情勢に詳しい専門家によると、イエメンではイスラエルを挑発的に攻撃するフーシ派に対して、ハマスとイスラエルの対立に過度に介入し、イスラエルの報復攻撃を招いて国民生活を圧迫しているとの批判が一部の国民から上がっているという。

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