『タウンページ』廃刊で気になるあの媒体の行方 なぜ継続?『JTB時刻表』が毎月発行を続けるワケ
「国鉄時代になりますが、ピーク時には200万部発行していたときもありました。これは1986年の11月号で、国鉄が民営化する前、最後のダイヤ改正の時刻表となったのですが、時刻表自体がなくなるという誤報があったらしく、そのせいで“買っておかなければ”という方が殺到したようです」
当時は毎月80万部前後の発行だったというが、
「現在はダイヤ改正時などに6万部くらい刷りますが、平均すると、3万4000部ほどです」(梶原編集長、以下同)
出版不況が叫ばれる中、『タウンページ』のように紙を廃止して、電子書籍にするなどは考えていないのだろうか?
部数が伸びている時刻表も
「携帯のアプリなどで乗り換え情報などを検索されている方が多いと思いますが、鉄道旅を楽しむという観点から見ると、紙の時刻表のほうがその人の望む乗り換えが探しやすい。例えば、ここの駅で始発に乗りたいという乗り換えは、アプリなどでは検索するのが難しいですが、紙の時刻表なら見つけやすく並んでいます。作る私たちも、そういったことを意識して作っています。
あと地図も掲載していますので、地図と時刻表を照らし合わせながら、そこから旅の妄想を始められます(笑)」
また一部の時刻表では、部数が伸びているものもあるという。
「B6判に縮小した時刻表です。内容は大きいものとまったく変わらないのですが、価格も安く、青春18きっぷなどで旅行されるとき、持ち運びに便利という利便性がウケているのだと思います」
紙の時刻表ならではの魅力が、利用者の心をつかんでいるのだろう。梶原編集長は、
「100年続いてきたものですから、紙の時刻表として引き続き出していきたいと思っています。使っていただく読者に“やっぱり紙の時刻表はいいよね”と言われるよう、これからも作っていきたいですね」
利便性では電子書籍に勝てないが、紙の本だからこその魅力もあるのだ。
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