NYタイムズ「7年で売上半減」から劇的復活した訳 老舗企業をV字回復させた「すごいDX処方箋」

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最悪の状況から一転、タイムズにとって2度目となるDXの成果は、実に驚異的なものでした。まず、「デジタル収益を8億ドルにする」という野心的な目標を1年前倒しで達成し、さらには「2025年までに購読者数1000万人」という追加目標も、予定より4年も早く達成したのです。なかでも注目すべきは、「デジタルの収益が紙媒体の収益を上回る」「購読料が広告収益を超える」という2つの重要目標についても、ともにクリアしたことです。

この偉業は投資家たちの注目を集め、2016年から2021年までの6年間で株価は261%も急騰しました。当時の年次報告書には、将来を見据えた新しいビジョンが次のように記されています。

「NYタイムズは、世界を理解し、世界と関わりを持とうとするすべての英語圏の人々にとって、購読者に欠かすことのできない媒体となることを目指している」

世界的権威が考案した「DXロードマップ」

では、なぜ、NYタイムズが、わずか数年で最悪期を抜け出し、DXを成功させた代表的な企業へと劇的な転身を遂げたのでしょうか? 

DXは、企業の生き残りがかかっているきわめて重要な挑戦です。この負けられない戦い、厳しい道のりを着実に進み、単なるデジタル化の推進ではなく、真にインパクトのある企業変革、イノベーションを実現するためには、必要不可欠な5つのステップがあります。

その5つのステップを着実にクリアしていくために、コロンビア・ビジネススクールのデビッド・ロジャース教授が考案されたのが、DXロードマップです。

そしてNYタイムズは、生き残りをかけて、変革を阻んでいた5つの課題を1つひとつ解決し、DXロードマップの5つのステップすべてを実行するという旅路を、見事にやり遂げたからこそ、劇的な転身を遂げられたのです。

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