「稼いでも貯金ゼロ」彼女が"副業で消耗"した事情 大手IT企業とインフルエンサー両立の裏側とは?

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なんか、当時それなりに稼いではいたんですけど、全然貯金がなかったんです。なぜかというと、帰ったときにポストに新しいものが入ってないと、寝れなくなっちゃったんですよ。毎日つらすぎて。「嬉しいものがないと、なんかつらい」という精神状態になってしまっていて……。だからAmazonで、なんでもいいから1日1個何か嬉しいものを買いたくて、だけど部屋に戻ると開けていない段ボールが大量にある。

兼業は孤独になりやすい

―エピソードを聞いているだけで泣けてきました。でもすごくわかる。忙しいときって、お金使っちゃいますよね。

時間がないから、タクシーも乗っちゃうし。判断力が鈍るから、高い買い物とか、ぱっとしちゃうんですよね。自分を喜ばせてあげたくなっちゃう。

だけど「お金を稼いで、そのお金で自分を癒やす」というマッチポンプは何!?と我に返りました。

―すっごいわかります……。しかもそういう話って、案外誰にもできないんですよね。

そうなんです。副業って、自分が好きでやってることだから、人に相談できないんですよね。「こんなに頑張っている」なんて友達に言っても自慢っぽく思われそうだし……。本当に頑張っていることを知ってるのは、自分だけなんですよね。体調を崩したり、眠かったりしても、自分しか知らないし、自分のせいなんですよ。

だから兼業って、すごく孤独になりやすいなあ、と思います。今はわからないけれど、当時は周りで兼業をやっている人がほとんどいなかったので、余計に孤独でした。

前篇ではりょかちさんが兼業を始めたきっかけと、限界を迎えたエピソードについて伺った。後篇では、りょかちさんに「副業を辞めようと思ったきっかけ」について語ってもらった。努力家で真面目なりょかちさんの、とてもキラキラしているように見える「副業」の裏側にあるものとは? 現代の「副業」について考えるきっかけになったら嬉しい。

泣きながら副業してる
本連載は月2回の更新です。連載一覧はこちら
三宅 香帆 文芸評論家

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みやけ かほ / Kaho Miyake

1994年生まれ。高知県出身。京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了。天狼院書店(京都天狼院)元店長。2016年「京大院生の書店スタッフが「正直、これ読んだら人生狂っちゃうよね」と思う本ベスト20を選んでみた。 ≪リーディング・ハイ≫」がハイパーバズを起こし、2016年の年間総合はてなブックマーク数ランキングで第2位となる。その卓越した選書センスと書評によって、本好きのSNSの間で大反響を呼んだ。『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)、『人生を狂わす名著50』(ライツ社刊)、『女の子の謎を解く』(笠間書院)『それを読むたび思い出す』(青土社)など著書多数)。

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