単身で軍に抵抗したミャンマー元警察官の願い スーチー氏の顧問を救援、日本で難民認定

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

――ターネル氏は釈放された後、自著でチョーサンハンさんのことを「私の命を救ってくれたヒーローだ」とほめたたえました。 ターネル氏の処遇をめぐり、どんなやり取りがあったのでしょうか。

軍事クーデターの5日後、ターネル氏は逮捕され、インセインにあった刑事捜査部に連れてこられ、そこで尋問を受けました。ターネル氏が連行された場所は非常に環境が悪く、オーストラリア大使館も当時、ターネル氏の安否を把握できていませんでした。

ターネル氏は逮捕直後、身体的な虐待も含めてひどい扱いを受けていました。私は捜査チームに虐待をやめ、食事やトイレの状態を改善するように要請しました。そしてターネル氏について「本人は何も罪を犯していない。すぐに家族の元に返すべきである」と報告書に記しました。

日本にどのように逃れたのか

――ターネル氏のその後は?

1年半以上も拘留されました。釈放されたのは2022年11月17日。ターネル氏の所在を知ることになったオーストラリア政府や大使館がミャンマー軍事政権に強く抗議し、大使自らミンアウンフライン司令官にターネル氏の釈放を求めました。

――ターネル氏の釈放後、チョーサンハンさんはどうしましたか?

私はターネル氏の件に関与したこと、その後、民主主義を求める市民の抵抗運動に理解を示したことから、もはやミャンマーにはいられないと考えました。

そこで博士号を取得するための留学を理由としてパスポートを取得し、留学先のタイに向かいました。ただし、隣国のタイも安全とは言えません。幸いにもビザが下り、日本に逃れることができました。

次ページ軍支配に疑問を抱いたきっかけは?
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事