月4万円支給も!同僚の育休で疲弊する人救う方法 国から助成金が出る仕組みも始まっていた!

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厚労省の「両立支援等助成金」にはさまざなコースがあり、育児だけではなく、介護や不妊治療と両立しやすくするために職場環境を整備する企業にも助成金が出る(図:厚労省公式サイトより)

職場から「気兼ね」と「我慢」を減らすために

本来、育休や時短は男女共に会社員としての当然の権利で、職場に気兼ねする必要はないものです。育休や時短によってできなくなった仕事についても、管理職がその分配に責任を持つべきもので、当事者が責任を感じるものではありません。ただ、日本はもともと長時間労働社会。自分の仕事だけでいっぱいいっぱいなのに、さらに仕事を増やされて、そこに何の手当もつかないとしたら、不満を持つ人がいるのは当然です。「子どもは社会の宝だから」と精神論だけで片付けるには限界があるのです。

この問題を解決するには、そもそもの働き方の改革も必要だと思いますが、その仕組み作りに国や自治体の支援をうまく利用するというやり方もあると思います。

マンガで紹介した両立支援等助成金「育休中等業務代替支援コース」の手当て支給に関する支援を受けるには、中小企業であることのほかに、「代替業務の見直し・効率化」「手当制度等を就業規則などに規定」「育休の場合は7日以上、時短の場合は1カ月以上」などの条件があります。詳しくはリンク先を参照してください。

さらに、国とは別に、自治体でも独自の支援策を設けている場合もあります。東京都には、育児中の会社員の就業継続を応援するため、その環境整備を実施した企業に支援金を出す制度があります。この「働くパパママ育業応援奨励金」は、厚労省の「両立支援等助成金」と条件等が異なります。双方との条件がうまくあえば、両方の助成金を得られる場合もあるそうです。

同僚の負担を増やしていることに申し訳なく思っている、育児中の人の分まで仕事が増えてモヤモヤしている、職場の分断にストレスを感じている……そんな方は、こういう制度もあると会社に相談したり、同僚や上司と話題にしてみるのはいかがでしょうか? 職場から「気兼ね」と「我慢」を減らし、社内の分断を解消する合理的なやり方はきっとあるはずです。

この連載にはサブ・コミュニティ「バル・ハラユキ」があります。ハラユキさんと夫婦の問題について語り合ってみませんか? 詳細はこちらから。
ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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