――時間外労働規制の対応に遅れている企業がまだ多いということですか?
伊藤氏:おそらく理解はしているのだろうが、まだごまかしが利くと考えている会社もあるのではないか。いまだに出退勤を手書きのタイムカードで管理し、提出書類の業務終了時間を正確に記録していない中小企業もある。
そうした会社の社長に対しては「そんな昔ながらのことをやっていると、労基署(労働基準監督署)に入られたら一発でアウトですよ」と、忠告している。
労働管理をおろそかにすれば人は離れていく
清川氏:確かに、時間外労働規制に対してスーパーゼネコンはきっちりと対応しているが、中小企業にはちょっと鈍いところがある。今は人が仕事を選ぶ時代で、私は「大転職時代」と表現しているが、労働時間の管理をおろそかにするような会社はいつか人が離れていくだろう。
野原氏:規制導入に対する理解自体は、広まっているように感じる。ただ、本当に現実に対応できるのかというと、やや疑問だ。
例えば日給月給(1日を計算単位として給与を定め、毎月1回まとめて支払う給与体系)で働いている職人の給料。週休2日制を実現するとなると、週に6日働いていた職人を週5日にしなければならず、そうなったときに職人の手取りが減る。そのことに対するアクション(対策)が、現時点ではほとんど聞こえてこない。
また、具体的にいち早く問題として浮上してくるのは(同じく時間外労働規制が適用される)トラックの領域ではないか。土曜日や日曜日に積み込みができないケースが増えてくれば、建材メーカー、建材加工業者も影響を受け、最後は建設現場も影響を受けるだろう。
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