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車1台の選択でも仕事に影響を与えることがある 外交官として車をTPOで乗り換えることが大事

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  • 佐藤 優 作家・元外務省主任分析官

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白タクとして使われている車はポンコツの「ジグリ」1型(VAZ-2101)だった。

当時、ソ連市民が購入できる自動車は「ザポロージェツ」「モスクヴィッチ」「ジグリ」(以上、小型車で5人乗り)、「ヴォルガ」(中型車で5人乗り)の4種類に限られていた。いずれもソ連車だが、ジグリの人気が圧倒的に高かった。故障が少なく、燃費がよかったからだ。申し込んでから、10年待たされることも珍しくなかった。

とくにジグリ1型は人気があった。なぜなら、この車はイタリア車「フィアット124」の完全なコピーだったからだ。このシリーズは7型までが製造されたが、1型が最も評判がよかった。2型以降は改良がなされソ連独自の仕様となったが、それ以前のイタリア車の完全なコピー車のほうが性能はいいとソ連市民が考えたためだ。1970年に製造が開始され、88年に中止されるまでにこの車は486万6900台造られた。

ちなみに筆者は、モスクワでは最初、日産自動車の「パルサー」に乗っていた。この車はとても優秀だったが、オートマチック車だったので、4年強乗った93年にトランスミッションから油が漏れるようになった。日本製のオートマチック車はモスクワの悪路に耐え切れなかったのだ。モスクワでの修理は不可能だった。ヘルシンキの日産の整備工場に送って修理すると、往復の輸送費を含め200万円以上かかるという。

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