もはや気の毒、月9「ONE DAY」視聴率大ピンチの訳 「VIVANT」にあって「ONE DAY」に欠けている3つ

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昨今のテレビドラマは、配信などを見るユーザーも多いのでリアルタイムにテレビで見る視聴率は指標になりにくいとはいえ、大沢たかお、中谷美紀、二宮和也と一人ひとりが主人公のドラマが1本できる3人が集まって、3つのドラマが絡み合った、『24 -TWENTY FOUR-』のような凝ったドラマに挑むということで注目されていた割には、物足りない数字である。

とりわけ、前期の『VIVANT』の世帯視聴率が最終的に跳ね上がったため、世帯視聴率無用論が有耶無耶になったのも運が悪かった。フジテレビ「月9」とTBS「日曜劇場」は2大人気ドラマ枠であること、主役級のキャストを集結したこと、人気ジャンルをミックスした構成、二宮がどちらにも出ている、考察系……ということからも、なにかと比べられて、お気の毒な気もする。

主人公3人は月9の常連ではない

『VIVANT』にあって『ONE DAY』にないものは何か。3つ挙げてみよう。

1.海外ロケがない。モンゴルの砂漠という新鮮さがあった『VIVANT』に対して、『ONE DAY』は横浜ロケだらけで、ライトアップされた湾岸都市、大観覧車など、既視感しかない。

2.味気ない。記憶喪失の逃亡犯に秘密が、真摯な報道が成されないテレビ局に業を煮やすキャスターの葛藤、ドジっ子シェフのドタバタ……とこれらはドラマによくあるパターンで、新鮮さがない。だからこそそれを3つ足せば、3本の矢のごとく強靭になると思いきや、3つに分割されてしまったことで、1つひとつのドラマをじっくり味わえない。

先述したレストランのソースと食材問題によって、シリアスな事件の当事者と真相を追う人たちのパートの味が薄まってしまうのだ。

3.主人公3人が月9の常連でない。『VIVANT』が堺雅人、役所広司、阿部寛、と歴代日曜劇場の主人公をつとめた者たちであることに対して、大沢たかお、中谷美紀、二宮和也は月9の印象がない。どちらかというと、TBS ドラマに出ているイメージがある。これが意外と重要な点である。

大沢と中谷は、コロナ禍、再放送されて盛り上がった日曜劇場『JIN―仁―』(2011 年)が強烈だ。さらに、特ダネを追う・ニュースキャスター・倉内桔梗役の中谷が銃撃事件の真相を追っている姿には、伝説のミステリードラマ『ケイゾク』(1999年)を思い出してしまう。

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