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大使館幹部は政治を動かす要素を知らなかった 佐藤優の情報術、91年ソ連クーデター事件簿㉘

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  • 佐藤 優 作家・元外務省主任分析官

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ソ連共産党守旧派によるクーデター事件から2日目の1991年9月20日午前中、ゴルバチョフ・ソ連大統領の生死やホワイトハウス(ロシア大統領府・政府・最高会議建物)に籠城したエリツィン・ロシア大統領派を国家非常事態委員会が武力制圧し流血の惨事になる可能性などについての情報を必死になって収集していた。このとき、日本大使館の同僚はどういうことに注力していたのか。公電第5328号が興味深い。公電番号から判断して、20日昼ごろに起案したものと思われる。

ソ連非常事態宣言(ソ連憲法との関係)

第5328号 秘 大至急

今次ソ連政変のソ連憲法等との関係に関連し、当館気付きの点次の通り。ソ連は未だ完全な法治国家とはいえないが、非常事態国家委も合法制をよそおう必要はあり、下記論点は非常事態国家委がソ連権力として定着していくか否かを占う上で、重要であると考えられるので、念のため。

この公電は二重の意味で頓珍漢だ。まずクーデターが起きている最中に出先の大使館のやるべき仕事は情報収集であり、ソ連憲法と国家非常事態委員会の関係についての考察といった分析作業は、本省欧亜局ソ連課の調査班か情報調査局分析課で行えばいいことだ。

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