1日10分で血圧・血糖値に効くストレッチの正体 短期間で血管年齢にポジティブな効果が出た!

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循環系ストレッチは、生活習慣の乱れや加齢によって生じた血流の低下と血管の老化に働きかけ、体の中から健康になる運動プログラムです。その効果を検証すべく、本書の監修者である田畑尚吾医師の協力のもと、クリニックに通院する患者さんを対象にモニタリングを実施しました。

田畑医師は糖尿病専門医であり、国際オリンピック委員会(IOC)認定のスポーツドクターでもあり、ご自身も長距離走やクロスカントリースキーを実践する市民アスリート。エクササイズにも深い知識と理解をお持ちの医師です。そうした背景もあって2021年に開設したご自身のクリニックには、全国でもあまり類を見ない先進的な取り組みとしてエクササイズルームを併設し、積極的に運動療法を取り入れています。

モニタリングの結果としては、多くの方に体重・体脂肪、血圧などにおいて改善傾向が確認され、CAVI(心臓〈Cardio〉から足首〈Ankle〉までの動脈〈Vascular〉の硬さの指標〈Index〉の略)という機械を用いたところ、動脈硬化の指標となる数値に改善傾向が見られました。また、糖尿病患者のモニターからは血糖値の急激な変動を抑えられたというデータも得られ、全体にポジティブな結果が。

「医学的なエビデンスとするには継続しサンプル数も増やす必要があります」という指摘はあったものの「循環系ストレッチには血管機能の改善効果があると考えられ、将来的に起こりうる病気の予防につながっていくでしょう」と田畑医師は言います。

1回10分程度で、血流が改善し弱った部位や気になる部位が次々とよくなっていく。こうイメージして開発した循環系ストレッチは、短い時間で成果を出すことにこだわりました。

糖尿病患者の運動療法の実施状況の調査によると、運動の維持、継続に必要なのは「時間」だと6割の患者が答え、また運動を実施していない患者も4割が「時間がない」ことを「やらない理由」に挙げています。

運動が体にいいことはわかっているし、やる気は多少ある。でも日々、仕事や家庭の用事をこなすのに精いっぱいで余裕がないというのが、多くの方の悩みのようです。

健康的な体に導いてくれる運動は、世の中にたくさんあります。また、時間や体力に余裕のある人、体を鍛える行為そのものが好きな人なら、時間をかけて体を鍛えることもできるでしょう。しかし多くの方はそうではありません。

写真はイメージです(写真:Ushico/PIXTA)

「効果」と「継続率」のバランスが重要

運動による効果を得るために最も大切なのは「継続」です。これまでの生活習慣をなるべく変えずに体を改善できるなら、継続率もグッと上がります。「やる気はあるけれど続かない」「運動は面倒くさい」「嫌い」という方でも、循環系ストレッチなら自宅で手軽に着替えをしなくてもできます。

以下でモニターのデータを紹介しているので、ぜひご覧ください。

<循環系ストレッチ モニターデータ 血圧が下がった>

20歳以上の国民の2人に1人が該当すると言われる高血圧(※)。日本人に最も多い生活習慣病で、喫煙と並んで命をリスクにさらす要因とされています。

血圧は、心臓が血液を押し出す力と血管の弾力性で決まるものです。血管がしなやかで、血液がいわゆる「サラサラ」状態なら血圧は正常値に落ち着きますが、血管が硬く血液が「ドロドロ」だと血液が通りにくくなったぶんだけ血圧は高くなります。

そして高血圧の状態が続くと血管の壁はますます硬くなり、動脈硬化に至ってしまうわけです。

今回、高血圧の患者さんに3カ月間、循環系ストレッチを実践してもらったところ血圧の数値に改善傾向が得られました。67歳の女性は上が155から136に、下が85から77に。62歳の女性は上が140から131に、下が90から82に自然に下がりました。

「1人は肥満と高血圧、もう一人は高血圧と脂質異常症で通院している患者さんです。

治療の内容は変えずに3か月間実施したところ、月を追うごとに数値が改善されていきました」(田畑尚吾医師)

※厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査」より

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