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欧州で露呈、鉄道車両「メーカー主導開発」の限界 納期遅れや問題多発、鉄道会社と共同に回帰?

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チューリッヒ中央駅に停車するインターシティ用のFV-Dosto(撮影:橋爪智之)
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スイス連邦鉄道(SBB)とフランスの鉄道メーカー、アルストムは2023年3月3日、長距離用2階建て車両「FV-Dosto」(RABe502型電車)の度重なる納入遅延に対する補償として、アルストムが8両編成6本分に相当する金額をSBBに支払うという協定に調印した。

補償の中にはスペアパーツの供給、車両の保守、スタッフのトレーニングなど、当初から両者間で結ばれていた契約期間の延長を含んでおり、これらについては今後数年間、アルストム側が全ての責任を負うことで合意したと明らかになっている。

新機能の開発遅れで納期5年遅延

FV-DostoはSBBが2010年5月、大手メーカーのボンバルディア(当時、現アルストム)に発注した車両。インターシティ(都市間特急)用8両編成20本、インターレギオ(地域間急行)用8両編成30本・増結用4両編成9本を納入する契約で、金額は19億スイスフラン(約2744億円)と、当時SBB史上最大規模の契約だった。

ところが、当初予定されていた2013年12月の冬ダイヤ改正での投入は延期され、2014年初頭にボンバルディアはFV-Dostoの生産と納入が大幅に遅れることを認めた。この納入遅延への補償として、ボンバルディアはインターシティ用8両編成3本を無償で追加提供することでSBBと合意した。その後も納入は遅れ、当初の予定から5年経過した2018年にようやく運行を開始した。

スイス国内主要幹線の優等列車に使用されるFV-Dosto(撮影:橋爪智之)

度重なる納入の遅れは、FV-Dostoに搭載される予定だった新機能の開発がうまくいかなかったことが原因となっている。

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【問題続発の新機能は結局導入を断念】

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