【悪夢】頻繁に見る人に潜む病と「脳のカラクリ」 怖い夢には「抗ストレス作用」があるという説も

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怖い夢を見てハッと起きる――。そんな経験をした人も多いのではないでしょうか(写真:AKIRA/PIXTA)
「受験で失敗する夢を見る」「何かに追いかけられる夢を見る」――。このような悪夢にうなされて、ハッと目が覚めた。そんな経験をしたことがある人も多いのではないのだろうか。運動などで睡眠の改善を図っても、悪夢を繰り返し見る場合は、もしかしたら重大な病気が潜んでいるかもしれない。
精神科医で、早稲田大学睡眠研究所所長の西多昌規さんに、悪夢を見るメカニズム、悪夢を見ることで考えられる疾患について話を聞いた。

人はなぜ悪夢を見るのか。それを知るためには、まずは睡眠の仕組みを理解する必要がある。

睡眠の仕組みについて

私たちが眠りについて目が覚めるまでの間には、レム睡眠と、ノンレム睡眠という2種類の睡眠状態が繰り返されている。

レム睡眠は、眼球がキョロキョロと動く急速眼球運動(Rapid Eye Movement)の頭文字から名づけられている。この間、体は休んでいるものの、脳は活動している。

一方、ノンレム睡眠はレム睡眠の逆で、体だけでなく脳も休息している。ノンレムはさらに「まどろみ期(ごく浅い睡眠)」「軽睡眠期(寝ていても、何かの音に気づいて起きることがある)」「深睡眠期(ちょっとやそっとでは寝覚めない)」の3つに分類される。

つまり、〈ノンレム睡眠(まどろみ期→軽睡眠期→深睡眠期)→レム睡眠〉が、1晩で4~5回繰り返され、夜明けになるにしたがってレム睡眠の持続時間が長くなる。

睡眠の経過とノンレム睡眠・レム睡眠
睡眠の経過とノンレム睡眠・レム睡眠(西多さんの提供資料を編集部で改編)

 

悪夢をあまり見ない人もいれば、子どもの頃から悪夢を見る人もあり、個人差がある。

では、なぜ悪夢を見るのか。それは、扁桃体と呼ばれる、恐怖心や不快感といった感情に深く関わっている脳の部位が、レム睡眠中に過活動になっているためだとされる。 これは過去のトラウマ経験を持つ人や、ストレスに晒されている人に見られる傾向だ。

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