東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #経済学者が読み解く現代社会のリアル

60年前の米国にも存在、「子育て罰」解消への視点 長期的な視点で挑戦の機会が与えられるべき

6分で読める 会員登録で読める
  • 奥平 寛子 同志社大学ビジネススクール准教授

INDEX

(写真:YUJI/PIXTA)

働き続けたい、キャリアを築きたいと考える女性にとって、子どもを産むかどうかは重大な決断だ。キャリアアップを目指せば仕事への強いコミットメントが求められる。出産、育児により働き方が制限されれば、キャリアの重要な局面でチャンスを逃したり、そもそもチャンスが与えられなかったりするかもしれない。

こうした不安を裏付けるかのように、出産により女性が「罰を受ける」ことを示すエビデンスもある。複数の研究によると、出産直後に女性の所得は大きく減少し、その後もなかなか回復しない。一方、子どもを持つことによる所得の落ち込みは男性にはほとんど見られない。出産が女性のキャリアの障壁になっているという見方から、この所得の落ち込みは「チャイルドペナルティー」と呼ばれる。

財務省財務総合政策研究所の古村典弘氏の研究によると、日本のチャイルドペナルティーは欧米諸国と比べてとくに大きいという。「21世紀成年者縦断調査(厚生労働省)」のデータを用いた分析結果では、出産により女性の所得は7割ほど減り、出産から7年を経てもほとんど回復しなかった。日本の女性にとって、子育てをしながらキャリアを積むことがとりわけ厳しい挑戦であるとうかがえる。

女性がチャイルドペナルティーを克服しつつ、キャリアを築くにはどうすればよいか。米ニューヨーク大学スターン校のペトラ・モザー教授らの研究が示すのは、長く努力し続けることの大切さ、そして女性の仕事を長期的に評価することの重要性だ。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象