コンサルと事業会社「いいとこ取り」の仕事の正体 付加価値を与える「攻めの業務改革」の面白さ

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アクセンチュア オペレーションズ コンサルティング本部 マネジング・ディレクター 草間 美香 氏
コンサルティング会社と事業会社※1の「いいとこ取り」ができる仕事――。コンサルタントとして客観的な視点で課題解決のための改善案を出すだけでなく、顧客と一体となって手を動かし、最後まで責任を持つ。そんな仕事が魅力的だと語るのはデジタルの力を活用し、顧客企業のテクノロジーや業務プロセス、人材の継続的な改革の実現を支援するアクセンチュアのオペレーションズ コンサルティング本部の草間美香氏だ。具体的なプロジェクト事例や仕事の醍醐味について聞いた。
※1 事業会社:コンサルティング・ITサービスなどを提供する会社ではなく、「自社の製品・サービスを直接的に顧客に提供する会社」を指す

ユニ・チャームグループと進める業務改革

2021年11月、アクセンチュアはユービーエスの経営に参画した。ユービーエスはユニ・チャームグループのバックオフィス業務をはじめとしたノンコア業務全般を担う会社だ。アクセンチュアの参画を機に、請け負っている業務の効率化・高度化だけでなく、ユービーエスが請け負う業務領域の拡大も加速させている。本プロジェクトの責任者を担うのが草間氏だ。

――アクセンチュアがユービーエスの経営に参画した経緯を教えてください。

草間 美香(以下、草間) ユービーエスは1999年にユニ・チャーム様(以下、敬称略)が立ち上げたグループ内向けのシェアードサービス※2会社です。2007年に第三者との共同経営に移行してユービーエスを運営してこられましたが、近年のデジタル化やグローバル化の流れに対応すべく、アクセンチュアに白羽の矢を立てていただき、2021年11月にアクセンチュアが80%出資する形で再スタートを切りました。

※2 シェアードサービス:総務や経理など間接部門で行われている共通業務を、1つに集約してグループ全体の業務の効率化を図る手法のこと
オペレーションズ コンサルティング本部 マネジング・ディレクター 草間 美香 氏
オペレーションズ コンサルティング本部
マネジング・ディレクター
草間 美香
10年以上にわたり製造業・小売業領域の改革支援に従事。近年はDXを通じた業務効率化やBPOセンター改革を担当

――ユニ・チャームプロジェクトでのアクセンチュアや草間さんの役割は?

草間  アクセンチュアの役割は主に、ユービーエスが引き受けている人事や総務、経理、営業支援などの既存業務のスマート化(効率化・高度化)と、ユニ・チャームから新たに引き受けられそうな業務を見極め、受託・運営することです。

現在、ユービーエスでは約200人のメンバーが業務を運営していますが、既存業務のスマート化を図ることで余力をつくり、その余力で新たに業務を引き受けていきます。こうしてユービーエスが今まで以上にユニ・チャームに貢献できるようになることで、ユニ・チャームがノンコア業務からコア業務へとリソースをシフトしていくことが本プロジェクトの目指すところです。

プロジェクトに関わるアクセンチュア社員は現在、50人ほどです。業務運営やスマート化を行うチーム、ユニ・チャーム社内の業務を可視化して新たな貢献領域を発掘するチーム、発掘した業務を現場で運営できるように業務を再設計するチーム、ユービーエスの経営企画やITインフラ整備などのチームに分かれて業務を遂行しています。

私はスマート化を担う業務運営本部の本部長を務めるとともに、ユービーエスの副社長として経営も担う立場となっています。

ユニ・チャームプロジェクトにおけるアクセンチュアの主な役割

――プロジェクトがスタートして2年目ということですが、これまでの成果はいかがですか。

草間  本プロジェクトでは、ユニ・チャームグループの業務効率化をリードする存在になることや、貢献領域の拡大にチャレンジするといったお客様の期待に応えるため、「業務受託プロセスの改革」「業務運営の継続的なスマート化」といった大きく2つの活動方針を立てています。この活動方針にのっとり、業務受託時のプロセス改善や業務運営のさらなる効率化・高度化を推進する基盤づくりをしてきました。

「業務受託プロセスの改革」とは、これまでのように業務単位で受託するのではなく、アクセンチュア内の方法論をベースに、業務の目的を達成するために最も効率的な「あるべき業務プロセス」を事前に検討し、ユニ・チャームとの担当範囲を整理したうえで受託を行うということです。こうすることで、業務受託時のプロセス改善や効率化だけでなく品質向上にも貢献できます。

この新しい業務受託のコンセプトが評価され、アクセンチュアの参画前は実績のなかったマーケティングの業務領域に関しても定型化できる業務を新たに引き受けることができ、ユニ・チャームのマーケターが企業価値を生み出す業務のほうに、より集中できる環境づくりにも貢献できつつあります。

「業務運営の継続的なスマート化」は、3つの可視化をベースに行っています。これもアクセンチュアの業務運営管理における方法論ですが、業務プロセスとスキル、そして業務パフォーマンスを可視化することで目標と実績のギャップを確認し、そのギャップを埋めるための効率化や品質向上施策を実施していくというものです。

2年目の今期は、これまで実施してきた業務プロセスの可視化を基に業務全体を体系化して捉えるためのBFC(Business Function Chart:業務機能を構造化した一覧)作成と、各業務のパフォーマンスを可視化するツールの導入に取り組んでいます。

これはアクセンチュア標準ツールをベースにユービーエス用にカスタマイズしたもので、皆さんに親しみを持って使いこなしていただけるよう“しんちょ君”という名前を付けています(笑)。

このような取り組みを通して、業務の効率や品質を向上させ、さらに生産性を上げられるように、日々プロジェクトを推進しています。

業務改善のための3つの可視化

客観的な視点を持ちつつ、当事者として最後まで責任を持つ

――草間さんのキャリアを教えてください。

草間 私は2005年に新卒でアクセンチュアに入社しました。当時の製造・流通本部に配属され、コンサルタントとして基幹システムの刷新に伴う業務改革など、さまざまな案件を経験しました。

業務プロセスオペレーション(以下、BPO)に初めて携わったのは2013年です。お客様の企業内にシェアードサービス部門を立ち上げたり、中国にBPOセンターをつくって業務を引き受けるモデルを構築したりと、今のプロジェクトにもつながる取り組みなどに携わっていました。

その後、産休・育休でしばらく仕事から離れていましたが、その間にアクセンチュアの体制変更に伴う組織改編があり、復帰に当たって改めてどんな仕事をしたいかを考えたときに浮かんできたのはBPOでした。復職を機に現在のオペレーションズ コンサルティング本部に異動し、現在に至ります。

産休・育休前に所属していた部署での仕事も面白かったのですが、実務オペレーションまでお預かりすることで、さらにお客様の世界に踏み込んだ取り組みができることに、より魅力を感じました。一度関与したら、その先が気になって仕方がない性分でもあり、この仕事は性に合っていると思います(笑)。

――オペレーションズ コンサルティング本部での仕事のやりがいは?

草間 業務に対して改善や改革の提案をする際に、「お客様の仕事」ではなく「私たちの仕事」と言えるところがいいですね。その分、もしうまくいかなければ、試行錯誤しながら結果が出るまで考え、手を動かす必要がありますが、それも含めてやりがいだと感じています。

客観的な視点で業務の改善検討や課題解決をするコンサルタントと、当事者として業務運営の結果にコミットする事業会社の「いいとこ取り」ができることが魅力です。

――自己成長という観点ではいかがですか。

草間 ひょっとしたら、BPOという言葉には「定型業務の作業」というイメージが強いかもしれませんが、オペレーションズ コンサルティングという名称からもわかるように、私たちの役割はコンサルタントであり、知的ワーカーです。

お客様の業務をそのまま引き受けるのではなく、上述したような方法論やツールなどを駆使して効率化・高度化に取り組み、さらなる付加価値を与えられるよう、業務をつくり変えていきます。

また、アクセンチュアには「断捨離BPO」といった考え方もあります。一般的なBPOは多くの業務を引き受けることを目指しますが、私たちは引き受ける業務を分析し、その業務運営をするうえで、本来やる必要がない作業の断捨離も行います。不要な作業をあぶり出すには業務全体の可視化が必要ですが、それはまさにコンサルタントに求められる力です。

可視化した後は改善策を考えなくてはいけませんし、改善策が見えたら現場社員やオペレーター、さらにはお客様も含めた関係者を巻き込んで実行に移す必要があります。それを理解していただくには、わかりやすくプレゼンテーションするスキルも欠かせません。

オペレーションズ コンサルティング本部は、それらのコンサルスキルをステップ・バイ・ステップで学べる絶好の場です。さらに実務経験も得られるので、成長意欲の高い人にはぴったりの職種だと思います。

トライ&エラーを楽しめる人と働きたい

――育児中と伺っています。アクセンチュアでの働きやすさはどうですか。

草間 産休・育休はフルで取得しました。単に制度があるだけでなく、いかに周りがサポートするかという運用のところまで会社が考えてくれるので、それが育児休業取得率において女性100%、男性47.5%、育児休業平均取得日数において女性294日、男性120日という高い数字になって表れていると思います。

オペレーションズ コンサルティング本部 マネジング・ディレクター 草間 美香 氏

私は復帰後、フルタイムで出社していますが、子どもが熱を出したときなどはリモートワークに切り替えて、自宅でオンライン会議に参加しています。プロジェクトによりますが、リモートワーク環境で業務可能な場合は、在宅勤務中心やオフィスと在宅を組み合わせたハイブリッド勤務にするなど、働く場所の柔軟さがあるケースは多いと思います。

――どのような人と一緒に働きたいと思いますか。

草間 本プロジェクトでは、預かったお仕事をこなすだけでなくユービーエスの経営や運営管理も行っています。そのため慣れないことも多かったですが、たまたまアクセンチュア社員の中に経営企画のキャリアを持つ人がいて助けられたこともありました。

そして、人事や総務、経理、営業支援、マーケティングなどさまざまな業務領域を扱っているため、前職のキャリアを活用できる機会は多いと思います。

そういったこともあり、コンサル経験が必須というわけではなく、経歴やスキルを問わずさまざまな方に来ていただければと思います。また、私たちの仕事は一度考えて終わりということはなく、手を動かしつつ結果が出るまで責任を持ってトライ&エラーする仕事です。そのプロセスを楽しめる人と一緒に働きたいですね。

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