コンサル業界への転職者が語る「イメージと現実」 前職の経験を活かしつつ、活躍できる秘訣とは
コンサルタントへの転身はハードルが高いという印象もあるが、実際はどうなのか。アクセンチュアに中途入社し、同本部の経理・経営管理領域で活躍中の社員2名に仕事のやりがいや働きやすさなど、リアルな声を聞いてみた。
「90%自動化」を目指して業務を再設計する
――企業の経理・経営管理をBPOとして引き受けているとのことですが、アクセンチュアならではの特徴はありますか。
下中 アクセンチュアならではというと、業務の「90%自動化」を目標に掲げている点です。
ただ単に請求書の処理などの代行業務をするのではなく、AI-OCR※1やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を駆使した自動化基盤の構築など、先端のテクノロジーやデジタルを活用して、業務を効率化し、改善したうえで業務を受託しています。
※1 人工知能を利用した文字認識
業務の無駄を省くのみでは、通常、40~50%程度の自動化しか実現できませんが、「90%自動化」を達成するためにはゼロから業務プロセスを再設計する必要があり、それにはコンサルタントの知見が必要です。
私はオペレーションズ コンサルティング本部トランスフォーメーショングループの経理・経営管理領域の責任者として、さまざまなプロジェクトに関わっていますが、近年はお客様のニーズも高く、事業規模が拡大傾向にあります。
また、本領域はオペレーションズ コンサルティング本部内の主に2つの組織で構成されており、お客様業務を再設計して業務改革全体の青写真を描くトランスフォーメーショングループと、その再設計された業務をBPOとして実行するサービスデリバリーがあります。
浅野 私は、トランスフォーメーショングループに所属しており、コンサルタント職の3年目です。現在は、AI-OCRやプロセスマイニングツール※2を取り扱うプロジェクトに参画しています。
※2 プロセスマイニングとは、企業において従業員が行うさまざまな業務活動のログを取得し分析、業務プロセスを可視化することで、現状を把握して業務改善に活用する手法
具体的にはAI-OCRに関するコスト見積もりや効果の試算、BPOに切り出された業務の再設計を行い、最適なツールを提案してシステム開発を行います。
それとともに、BPOの実行部隊であるサービスデリバリーと連携しながらBPOの詳細な作業手順への落とし込みなども行います。
――浅野さんは、なぜアクセンチュアへの転職を決めたのですか。
浅野 前職では人材派遣会社に勤務し、人材派遣の営業や人事・経理領域における委託業務の管理/処理をしており、経歴としてはコンサルティングやIT経験はない状態でした。
当時、最初は転職活動をしていなかったのですが、アクセンチュアに転職した前職の先輩社員から「アクセンチュアは多文化環境で英語が活かせるプロジェクトもあり、ワーキングママも多くいるし、一度、説明会に来てみたら」と誘っていただき、新しい世界をのぞいてみようという軽い気持ちで中途採用の説明会に行きました。
応募の際に人事担当の方が、前職での経歴や志向を見て、オペレーションズ コンサルティング本部のコンサルタント職に向いていると推してくれて、意外にもトントン拍子に採用が決まりました。
コンサルティングやITが未経験でも、入社後の研修やプロジェクトに参画してからのサポートが充実しているとのことだったので、ダメ元でよいので挑戦をしようと入社しました。
外資系コンサルティング企業に抱いていたイメージが覆された
――実際、コンサルタントへの転身に苦労はありましたか。また、どうやってその苦労を乗り越えましたか。
浅野 私の場合は、前職でコンサルティングやITの経験がないこともあり、最初は苦労が多かったです。前職では営業資料がすでに用意されていましたが、アクセンチュアではさまざまな資料を自分でゼロから作成する機会が多くあります。当初は資料作成の経験に乏しかったので、全然できませんでした。
また、システム開発についてもコンサルティングするうえでは、研修やプロジェクトを通して、継続的に勉強する必要がありました。
そんな調子だったので、会社から「明日から来なくていい」と言われるんじゃないかと思っていました。外資系コンサルティング企業って、成果を出せない人に厳しいイメージがあって(笑)。
でも、実際は全然想像と違いました。アクセンチュアは人を突き放す会社ではなく、困ったときは遠慮なく言える環境があり、周囲の方が手を差し伸べてくれました。
また、コンサルタントはそれぞれが個人プレーで仕事をするのかと想像していましたが、実際はチーム戦で、経験豊富な上司やチームメンバーに支えられながら成長できる環境のため、とても心強かったです。
下中 アクセンチュアは人材育成にも力を入れています。プロジェクトの直属の上司とは別に、キャリア構築支援を目的としたピープルリードと呼ばれるメンターが社員全員につく制度があり、新しく入った社員は定期的にピープルリードと話す機会が設けられています。
現場では言いづらい悩みも遠慮なく相談できますし、それを受けてピープルリードが社員の参画プロジェクトとの間に入って調整することもあります。もし、参画したプロジェクトが自身のスキルに見合っていない場合は、より適切なプロジェクトへの移動も調整可能です。
研修やトレーニングについても、豊富で幅広い内容を用意しています。今すぐ業務で必要な内容はもちろん、直属の上司やピープルリードが中長期的な視点から「こういうものを学んではどうか」とアドバイスすることもあります。
その意味で、コンサルティングやIT未経験でも心配はありません。最初は右往左往していた浅野さんも順調に成長して、今はお客様からの評判もよく、頼もしい限りです。
「新しいことに挑戦してみたい」というマインドが大切
――コンサルティングやIT未経験だったということですが、前職の経験が活きた場面はありますか?
浅野 はい。私は前職で営業を経験していましたので、対人コミュニケーションは比較的得意でした。その点で、早い段階でお客様との打ち合わせに同席させてもらうなど、得意領域を活かす場面はありました。
また、業務の再設計などのフェーズにおいては、前職の営業や人事・経理領域に触れていたことが、現場経験という観点で少なからずプラスに働いていると思います。
――アクセンチュアでの仕事のやりがいや働きやすさの点はいかがですか。
浅野 お客様の要望を受けてそのまま形にするのではなく、時には「こういう仕組みにすればもっと効率化できます」とこちらからも提案できるのは面白いですね。お客様と同じ目線に立って話ができるのはコンサルタントの醍醐味だと感じています。
また、働きやすい環境も整っています。私は幼い子どもがいますが、保育園のお迎えの時間になると、同僚たちが「そろそろじゃない?」と気遣ってくれます。あと、驚いたのが全社横断の社内SNSを通じたオンライングループがあることです。
いろいろなテーマのグループがあって、お互いにプライベートの悩みを話したり情報共有をしたりしています※3。私は育児の会に参加しており、投稿を読むだけですが、共感する話が多くて励みになりました。
※3 コミュニティーへの参加は任意
――最後に、転職に関心がある人に向けてメッセージがあれば教えてください。
下中 経理・経営管理の領域では業務の自動化やBPOのニーズがますます高まり、私たちのビジネスも拡大していくと見込んでいます。現場のプロジェクトには一様ではなく、さまざまな人材が必要です。
実際、アクセンチュアのオペレーションズ コンサルティング本部には、経理・経営管理に精通した人や事業会社で特定の業界や領域の知識を蓄えてきた人、チームマネジメントに長けた人、システムに強い人など、多種多様なバックグラウンドを持った人材が協働しています。
加えて、マインド面も重要視しています。私たちのBPOは、お客様の業務プロセスをそのまま引き取るのでなく、最新のテクノロジーやデジタルを活用しながらゼロから設計し直すところに「強み」があります。
その「強み」を発揮するためには、新しいことに挑戦しようとする姿勢が重要です。ITやコンサルティング経験の有無にかかわらず、チャレンジ精神を持つ方のご応募をお待ちしています。