20年で市場60%減!「日本のスキー場」逆転の秘策 スキー場で「夏にも稼ぐ」逆転ヒットの根本発想
こんな質問を白馬で長年スキー場に携わってきた人たちに聞くと、ほぼ全員が、きょとんとした顔をした顔で、こう答えます。
「スキー場ですよ。スキー場ビジネスをやっているに決まっているじゃないですか」
じゃあ、競合は誰?
みんなの答えは「白馬五竜」「志賀高原」「野沢温泉」……国内、しかも同じ長野県内のスキー場の名前しか出てきません。
でも、本当にそうなのでしょうか?
これまでの20年間で市場が3分の1になり、これから人口減少に伴ってさらに市場が小さくなることが見えている国内スキー場ビジネス。これまでと同じ土俵で、同じような相手と組み合っていても、気づいたら誰もその相撲を見てくれなくなるのではないか。
私たちが持っている資産はスキー場としてのリフトやゲレンデだけではなく、ほかにもっと活用できるものがあるのではないか。
自分たちが「スキー場ビジネスをやっている」という定義から脱却し、改めて自分たちがお客さんに提供できる価値とその競合相手を再定義することができないと、銀塩フィルム業界同様に業界全体が「絶滅」しかねません。
「世界水準」「オールシーズン」「リゾート」を目指す
こうした危機意識に対し、私たちが出した結論が、「私たちはレジャー産業だ」です。具体的な言葉で言うと、次のようになります。
「半日程度以上の時間を国内外のお客さんに使ってもらい、目に見える製品や商品をお渡しすることなく、満足感や爽快感を覚えてリフレッシュした状態で元の生活に戻ってもらうビジネス」
そう考えれば、競合は県内スキー場だけではありません。同じスキー場でもニセコや蔵王など、北海道や東北にあるスキー場も明確に含まれます。さらには北アメリカやヨーロッパのスキー場も明確な競合としてとらえなければいけません。
そしてもちろん、スキー場だけではなく、遊園地やキャンプ場、ゴルフ場、映画館、動物園や水族館といった施設も競合です。京都、沖縄などの観光地もライバルととらえる必要があるでしょう。
有形な施設を持つものだけではなく、ゲームやスマホ、インターネットなどですら、考えようによってはお客さんの時間と財布を取り合う競合だということになります。
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