「株主提案における取締役候補者2名につきましては、当社の企業価値向上のためにその能力を発揮していただける人材であるとの確証が得られませんでした」
そのような言葉で、企業価値向上のためにと筆頭株主が提案した社外取締役候補に反対の意を示したのは、独立系ITベンダーの富士ソフト。自動車向け、FA向けの組み込みソフトに強みを持つ企業だ。12月4日、日曜日に開かれる臨時株主総会で候補選任の賛否を株主に問う。
提案をしたのは、シンガポールの運用会社である3Dインベストメント・パートナーズ。東芝やサッポロホールディングスに経営改革を求めていることでも知られる。
3Dは2019年から富士ソフト株を保有し、幾度となく企業価値の向上を促してきた。2022年3月11日に開催された定時株主総会でも社外取締役2人の選任を求めたが、賛成率4割弱で否決されていた。
株主提案の4人中2人に反対
今回、3Dは富士ソフトに4人の社外取締役の選任を求めている。このうち2人については会社も支持を表明し、会社提案の取締役候補の中に含められた。会社側は3人の候補を別途推薦しており、計5人が会社提案の取締役候補となっている。
一方、3D提案の岡村宏太郎氏と筒井高志氏の2人には反対を表明した。岡村氏は、JPモルガン・チェース銀行の在日代表やトムソン・ロイター・マーケッツの社長を務めた経歴を持つ。筒井氏は、ジャスダック証券取引所の社長やLIXILの副社長を務め、現在は日本ペイントの社外取締役だ。
3Dは11月17日、臨時総会の招集通知における会社側の記載について「深刻な事実誤認を生じさせる」と批判。会社側が推薦した3人の候補者についても、「(3Dの)推薦候補者による取締役会への好影響を減殺するためのもの」という見解を示すなど、対立はますます強まっている。
臨時総会の焦点となるのは、会社が反対する株主提案の2人の賛否だ。3Dは現在、富士ソフト株の21.45%を保有する。定時総会での敗北時より12.17%上昇していることから、今回はどちらに転んでもおかしくはない。
渦中の岡村氏、筒井氏は何を思うのか。両者に話を聞いた。
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